「途中出場上田綺世」によって浮き彫りになった日本代表にとっての唯一の不安点

小川航基(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

小川航基(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
11月18日、国際親善試合「日本代表対ボリビア代表」の一戦が行われ、3-0で日本代表が勝利した。

年内最後となったこの試合は、久保建英と鎌田大地のホットラインからの先制点や町野修斗の追加点、そして中村敬斗のスーパーゴールといった流れで森保監督が指揮する100戦目を勝利で飾った。

日本代表は3連勝で2025年を終えW杯イヤーに向かう

「史上最強の日本代表」と称されるチームは、その評価通りの強さを2025年も披露し続けた。

2025年はアジア最終予選やブラジル代表といった強豪国との対戦があったものの、8勝2敗3引き分けと好成績で終えている。

DF陣に負傷者が続出するも渡辺剛や鈴木淳之介が台頭し、ボランチでは佐野海舟が遠藤航を脅かす存在にまで成長した。

各ポジションに2人以上の実力者がおり、日本代表の選手層はかなり厚くなったと判断できる。

来年はいよいよ北中米W杯が行われるわけだが、「優勝」という目標を掲げて挑んでも決して恥ずかしくないチームになったといえるだろう。

唯一の懸念はCFの2番手か

各ポジション実力者が2人以上いると前述したが、不安なポジションが1つだけ存在する。

それが「CF」だ。

日本代表ではエールディビジで12試合13得点と大暴れしている上田綺世が君臨しているが、2番手となるCFとなるとレベルが1つ落ちてしまう。

小川航基や町野修斗も良い選手ではあるものの、FIFAランキング10位以内の強豪国とW杯で対戦する際に活躍できるレベルかというと、正直なところ厳しいと判断せざるをえない。

ボリビア戦でその問題点がより明確になったといえるだろう。

上田は67分に投入されたが、後半開始から上田投入時まで日本代表はボリビアに押し込まれていた。

この流れは小川のポストプレーの質が少なからず影響していたといえるだろう。

前半はある程度ポストプレーでボールを収められていた小川だったが、後半はことごとくボリビアDFに潰されマイボールにできていなかった。

まさに嫌な流れの中投入された上田だったが、ワンプレー目で「違い」を見せつけた。

ポストプレーを成功させ味方にボールを預けると自身はエリア内にフリーランニング。

ファーサイドから走り込みヘディングでクロスに合わせたのだ。

シュートは枠に飛ばなかったものの、いきなり大きなチャンスを作った。

その後も常にボリビアDFとの肉弾戦に勝利し的確にポストプレーをこなし、得意の裏抜けから中村の得点もアシストしてみせた。

もしも北中米W杯前に上田が怪我やコンディション不良に陥りメンバーに選ばれなかったならば。

もしもW杯期間中に怪我や累積警告を受け出場できない試合があったならば。

日本代表は大きく戦力を落とすことになるだろう。

さらなる高みを目指すためにも、小川航基や町野修斗のさらなる成長に期待しよう。