トッテナムで出番のない高井幸大とフェイエ移籍で即躍動の渡辺剛、日本代表CB争いの展望

高井幸大(提供:Hotspur FC/REX/アフロ)

高井幸大(提供:Hotspur FC/REX/アフロ)
北中米W杯まで1年となったわけだが、日本代表のレギュラー争いやメンバー争いは今後熾烈を極めていくことだろう。

各ポジションでハイレベルな争いが繰り広げられているが、CBもそんなポジションの1つだ。

板倉と町田は確定濃厚!3番手争いを制するのは高井か渡辺か

日本代表において現時点でレギュラークラスと呼べるのは、板倉滉と町田浩樹のみだろう。

板倉は負傷明けかつ体調不良により2024年1月に行われたアジアカップで低調なプレーを見せたが、現在は実力、経験値すべてでキャリアピークの状態となっており、CBにおけるリーダーと言っても過言ではないだろう。

そして町田も190㎝の左利きCBという希少価値の高い選手であり、加入したホッフェンハイムのプレシーズンマッチで得点を奪うなどこちらもキャリアのピークを迎えようとしている。

ただし、日本代表が使用するフォーメーションは「3-4-2-1」が基本であり、CBのスタメン枠は3枚となる可能性が高い。

そう考えるとあと1人CBのスタメンが必要となるが、W杯までの1年間で決まっていくことになるはずだ。

現時点で候補となるのは、トッテナムに移籍した高井幸大とフェイエノールトに移籍した渡辺剛、かつてCBのスタメンだった谷口彰悟、そして瀬古歩夢、橋岡大樹か。

この中で最も期待感が高いのは、やはりトッテナムの高井だろう。

192㎝とサイズもあり、対人、ビルドアップ共に日本人トップクラスの実力を持っている。

20歳という年齢を踏まえれば、この1年でさらに選手としての実力を伸ばしていくはずだ。

ただし、ライバルの多いトッテナムゆえに、試合に出場できず埋もれてしまうリスクもある。

そういった意味では、フェイエノールトである程度の出場機会を得られそうな渡辺は成長度合いは少なくとも安定感という意味で日本代表のスタメンを勝ち取れる可能性があるといえるだろう。

高井は足底筋膜負傷によりプレシーズンで出遅れているが、今後どこまで巻き返せるかが非常に重要なポイントとなるはずだ。

冨安復活の可能性にも期待

日本代表のCBで最も実力がある選手は、実はここまで一度も名前が挙がっていない。

そう、「冨安健洋」だ。

高さと速さ、ビルドアップ能力があり気持ちも強いまさに日本サッカー史上最高のCBといえる存在だが、アーセナルとの契約を解除し無所属となっているこの26歳のCBは現在膝の軟骨に問題を抱えている。

手術をし年内復帰に向けて動いているが、「復帰してもまた怪我を繰り返すのでは?」「もう全盛期のプレーは見られないのでは?」といった不安を持つサッカーファンは多い。

ただし、もしも復帰後欧州のいずれかのクラブと契約し、年明けから安定したプレーを披露すれば、日本代表への復帰の可能性もあるはずだ。

冨安自身はそのチャンスをモノにしようとリハビリに励んでいる。

高井や渡辺の成長にも期待大だが、最も日本代表のディフェンスラインのレベルを上げられるのは冨安であるのは間違いない。

果たして北中米W杯ではどんなメンバーがCBとしてピッチに立つのか。

今後の展開に注目だ。