
運動を行う前には必ずストレッチを行うというのは常識として認識している人は多いかと思いますが、、実は行うメニューによってはプレーの質が落ちてしまうということをご存じでしょうか?
「良いプレーをするために体を柔らかくしてるのに」
「練習や試合の前は怪我をしないようにストレッチしなければ」
そんな風に思っている人は多いかと思います。
もちろん、ストレッチ自体はとても重要なのですが、サッカーというスポーツでは練習や試合の前後でストレッチメニューを分けた方が良いと言われているのです。
この記事では、そんな「サッカーにおけるストレッチの重要性とその種類」について解説していきたいと思います。
ストレッチがスピードを遅くし筋肉の強度の低下を招く
イメージ的には、ストレッチを行った後にサッカーをプレーした方がスピードも出せそうですし、体全体が柔らかくなるのでパワーも増しそうな感じがしますよね。
しかし、これまで行われた実験では、ストレッチとダッシュを行った後はスピードが落ち、ダッシュとジョギングを組み合わせた準備運動ではスピードが落ちないということが分かっているのです。
そして、筋力についても同じように事前にストレッチを行うことで数%の筋力の低下が現れるということが分かっているのです。
(参考データ:http://soldeplatasaketos.blogspot.com/2010/11/importancia-de-los-estiramientos-antes.html)
この実験による検証データは、非常に驚きの結果ですよね。
サッカーをする直前に「アキレス腱を伸ばしておけよ」と監督やコーチに言われたことがあるという人は多いかと思いますが、まさかスピードや筋力が落ちるというのは意外ですよね。
しかし、実際にはすべてのストレッチがこのような結果を招くわけではなく、「必要なストレッチを必要な時に行う」ということが重要なのです。
ストレッチの種類
ストレッチには、「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類があります。
双方の特徴を挙げてみましょう。
動的ストレッチ
体を大きく動かして筋肉を収縮と弛緩を繰り返すストレッチが「動的ストレッチ」です。
「ダイナミックスストレッチ」とも呼ばれています。
簡単に言えば、勢いを付けて関節の可動域を広げるようなストレッチです。
心拍数の向上や筋収縮置換速度の向上、ケガ予防といった効果が期待できます。
サッカーでは、昔から「ブラジル体操」を試合前に行う習慣がありますが、まさにあれが動的ストレッチとなります。
静的ストレッチ
勢いをつけて体を大きく動かす動的ストレッチに対して、反動をつけずにゆっくりと時間を掛けて筋肉を伸ばすのが「静的ストレッチ」となります。
一般的に「ストレッチ」と言われて思い浮かべるもののほとんどが静的ストレッチにあたります。
「スタティックストレッチ」とも呼ばれています。
柔軟性をUPさせたり、関節の可動域を拡大するような効果が期待できます。
練習や試合の前後で静的ストレッチと動的ストレッチを使い分ける
ストレッチの違いが分かったところで、「いつどのようなストレッチを使えば良いか」を解説してみましょう。
この使い分けができるようになれば、きっとプレーのクオリティも上げながらケガのリスクも軽減できるはずですよ。
練習前や試合前は動的ストレッチが有効
前述した通り、動的ストレッチには心拍数の向上や筋収縮置換速度の向上、ケガ予防といった効果が期待できるので、サッカーを行う前に行うには理想的なストレッチだと言えます。
事前にブラジル体操を行うのは、正解だということですね。
その逆に、静的ストレッチをサッカーを行う前にやり過ぎてしまうと逆効果となってしまうので注意が必要です。
練習後や試合前は静的ストレッチが有効
サッカーをプレーし終わった後は、必ず「静的ストレッチ」を行うべきです。
練習後や試合後は、筋肉を何度も使用することになるので、必然的に収縮し固まりやすくなってしまいます。
静的ストレッチをせずに帰宅してしまうと、筋肉が硬い状態となってしまうので、しっかりと練習後や試合後に静的ストレッチを行う必要があるのです。
試合で活躍するためにお風呂上りもストレッチをしよう!
サッカーをする前後にストレッチをすることも重要ですが、もしもさらにそのプレーのパフォーマンスを上げたいのならば、「お風呂上りのストレッチ」を習慣化してみましょう。
お風呂上りは筋肉が十分に温まっているので、筋肉を伸ばしやすい状態となっています。
習慣化することで柔軟性が上昇しますし、副交感神経が優位となることでぐっすりと眠ることができ翌日も疲れを引きずることなくプレーを行うことができるはずです。
まとめ
今回は、「サッカーにおけるストレッチの重要性とその種類」について解説してきました。
・体を大きく動かして筋肉を収縮と弛緩を繰り返すのが「動的ストレッチ」
・反動をつけずにゆっくりと時間を掛けて筋肉を伸ばすのが「静的ストレッチ」
・練習前や試合前は動的ストレッチが有効
・練習後や試合前は静的ストレッチが有効
この2つのストレッチの特徴の違いをしっかりと理解して、使用するタイミングを間違えないようにしましょう。
Follow @ssn_supersports