南野拓実の移籍は「理に適っている」! 英メディアがリーズ入りを推挙する理由は、智将ビエルサの後を継ぐ男に?
今冬、リバプールの南野拓実には同じプレミアリーグのリーズが関心を示し、レンタルでの獲得を狙っているという報道が流れた。しかし実現には至らなかった。
結局、冬の移籍市場で選手補強はならなかったリーズは、1月16日のプレミアリーグ第22節ウェストハム戦を最後に勝利から遠ざかり、先月26日の27節トッテナム戦(0-4)で4連敗。そしてついにマルセロ・ビエルサ監督が解任の憂き目に遭った。
一方の南野は、アフリカネーションズ・カップに出場していたモハメド・サラーとサディオ・マネがリバプールに再合流してからは、プレミアリーグの2試合でいずれも90分間からのプレーに終わっていた。また、先月28日のチェルシーとのカラバオ・カップ決勝でも、今季、高い得点率を記録して勝ち上がりに大貢献してきたが、最後まで出番は訪れなかった。
表彰式でのサディオ・マネとのシャンパンをめぐるやりとり、トロフィーを掲げる際にチームメイトたちがこれを盛り上げた「ハートウォーミングな瞬間」(クラブ専門メディア『EMPIRE OF THE KOP』より)などといったエピソードが話題になった。だが、そんな日本代表FWの今後については、今冬に加入したルイス・ディアスの存在もあって、より厳しい立場に置かれると見られており、去就についても様々な憶測が流れている。
英スポーツ専門メディア『sportskeeda』は、「今夏にリバプールを離れる可能性がある5選手」と題した記事のなかで、ロリス・カリウス、ジョー・ゴメス、ジェイムズ・ミルナー、ディボック・オリギとともに南野を取り上げた。
同メディアは、今季公式戦で7得点1アシストを記録している南野について、「大きな期待を受けてリバプールに加入した元レッドブル・ザルツブルクの選手は、ここまでのキャリアに満足せず、チームの一員として認められるようベストを尽くしたが、期待には応えられていない」と厳しく評した。
また、南野が今季限りでマージーサイドを離れると予想するのは、英国の総合メディア『HITC』も同様で、こちらは新天地候補としてあのリーズの名を挙げる。
冬はザルツブルクのアメリカ代表MFブレンデン・アーロンソンの獲得が難しくなったところで南野にターゲットを切り替えて失敗したリーズが、ふたたび、この27歳の日本人アタッカーに関心を示し続けるのは、ビエルサの後任となったジェシー・マーシュの存在に理由があるという。
アメリカ出身のマーシュ監督は、2019年から2021年までザルツブルクを率い、南野がリバプールに移籍するまでに22試合で起用。ここで9ゴール、11アシストを記録した彼を高く評価しており、2020年にはスポーツ専門チャンネル『ESPN』で「南野は本当に賢い選手だ」と称賛。爆発的なアスリートではないものの、抜群の戦術理解度の高さを持つと評したものである。
前述のようなリバプールの状況を考えれば、同メディアは南野にとって退団は避けがたいものであると見ており、また、南野についてはリーズのフットボールディレクターであるビクトル・オルタ、マーシュ監督ともに同じ考えを持っており、「夏にこのリバプールの選手がリーズに移籍することは理に適っている」と記事を締めている。
移籍の噂では、昨季も報じられたスペインのセビージャの名が再び浮上しているが、南野自身は先日のクラブのインタビューで「現状の自分の結果には満足していない」「ここで何かを成し遂げたい」と語ったように、ピッチ上でのプレーに集中していることだろう。
たとえ今夏の去就がどのようなものになろうとも、大事なことは自身の価値を上げることであり、残りのシーズンでのプレーは重要なものとなる。その意味でも、現地の複数メディアが先発出場を予想している3月2日のFAカップ、ノリッジ戦でのプレーは要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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