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日本代表のサウジ戦快勝に各国メディアの反応は?殊勲者の伊東純也には所属クラブが「この戦士を誇りに思う」

1ゴール・1アシストで勝利を手繰り寄せた伊東は、圧倒的なスピードでサウジを圧倒した。(C)Getty Images
2月1日、カタール・ワールドカップのアジア最終予選が行なわれ、グループBでは2位の日本代表が首位サウジアラビアを2-0で下し、5連勝を飾った。

【関連動画】伊東純也の突破から南野拓実が豪快弾!主導権を握ったサウジ戦の先制点をチェック

予選突破に向けて、大きな山場のひとつであるサウジ戦。埼玉スタジアムでの一戦は、ホームチームが序盤から積極的に仕掛けてチャンスも作る。32分、伊東純也が走り勝って右サイドを突破してクロスを入れると、大迫勇也のスルーから南野拓実が相手DFをかわしてシュートを決めて先制。その後も主導権を握った日本は、後半開始から5分、長友佑都の横パスを受けた伊東がワントラップから右足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺して勝利を引き寄せた。

試合後、森保一監督は「選手やスタッフがこの一戦に向け、それぞれ最善の準備をしてことで、ピッチラインに良いエネルギーを作れた。選手たちは練習の時から本当に良いコミュニケーションを取っており、それがピッチ上でも活きた」とチーム全体の労をねぎらい、一方、主力の怪我など不利な状況下で今予選初黒星を喫したサウジのエルベ・ルナール監督は「勝利に相応しい内容だった」と潔く日本のプレーを称えた。
アジア・サッカー連盟(AFC)の公式サイトは日本の勝利を、森保監督のコメントを引用して「良い準備をした日本が報われる」と伝え、殊勲の伊東を「日本のスターマン」と表現。「右サイドからの突破でミナミノの先制点を引き出し、後半には相手ゴールの上隅に“雷”を落とし、2点のリードをもたらした」と綴るとともに、彼の「自分のゴールでチームの勝利を助けられて嬉しい」というコメントを紹介している。

勝てば本大会出場決定だったサウジのメディアでは、日刊紙『Okaz』が「W杯予選への道における最初のつまずき。グリーン(サウジ)はセーフティーポイントを失った」と題した記事で、自国がプレーメーカー不在でシステムを4-3-3に変更して臨んだが、日本はこれを攻め込み、交代選手も次々に好パフォーマンスを見せて、サウジのゴールを許さず、2点のリードを守り切ったと報じた。

『Al Watan』も日本戦の敗北を伝えたが、こちらは「日本のことは忘れて中国で希望を」と綴ったように、次戦でアウェーマッチとはいえ、すでに敗退が決まっている格下相手に勝てばいいという余裕や楽観的姿勢も感じさせた。『Al Jazirah』は日本の圧力に負けて下がってしまったことを敗因として挙げ、対戦相手を「チームとして最高であり、選手たちの攻撃での動きも最高だった」と称賛する一方で、「韓国の審判団は、日本に対して寛容だった」と判定への不満も垣間見せた。
今節、オマーンに2−2で引き分けて日本との勝点差が3に広がってしまった3位オーストラリアのメディアは一様に悲観的であり、日刊紙『The Sydney Morning Herald』は「ストレートインという希望を実現するためには、残り2試合(日本戦、サウジ戦)の両方に勝ち、なおかつサウジ、日本のどちらかが他のゲームを落とすことを頼りにするしかない」と指摘。もし次節で日本に勝てば、勝点で並び、得失点差(現在3)でもリードを広げることになるが、それでも最終節で格下(ベトナム)相手の日本が有利と見ているようだ。

当該国以外のメディアの反応では、スペインの通信社『EFE』は「日本がカタールW杯に向けて新たな一歩を踏み出した」と伝え、イタリアのスポーツ紙『TUTTO SPORT』と「日本がカタールに近づく」と報道し、南野の先制点について「リバプールの選手がゴールを決め、チームは躍動を始めた」とも綴った。

南野については、リバプールが公式サイトやSNSで「タキが日本のためにゴールを決めた」とレポートし、リバプール専門メディア『THIS IS ANFIELD』も最終予選での初ゴールで「日本の勝利を助けた」と反応したが、こちらは最後に「今冬に移籍が実現しなかった彼は、この後リバプールに戻り、ルイス・ディアスも加わったFW陣でポジション争いの激化に直面する」と“厳しい現実”に言及することも忘れていない。
もちろん、4戦連続のゴールで今回も勝利の最高殊勲者となった伊東の所属クラブであるヘンクも彼の活躍に注目し、SNSに「ジュンヤがまたやった! 素晴らしいゴールとアシスト。我々はこの戦士を誇りに思う」と投稿。また主戦場であるベルギーの総合メディア『WALFOOT』は「イトウが日本代表としてスーパーゴール!」と報道。「この日本人選手は素晴らしいオペレーションを成し遂げた」との賛辞も贈っている。

そして、日本代表の試合を毎回詳しくレポートし、全選手&監督を10点満点の採点で評価するブラジルの総合メディア『globo』は、今回も伊東に単独最高の「8」を与えてマン・オブ・ザ・マッチに選定。「最初から、彼は最も危険な日本人選手だった。2点をリードするまで、彼は全てのチャンスに絡む、アシストとゴールを記録。ゴールは本当に素晴らしかった。直近の4試合のうち3試合で、ベストプレーヤーだった」と絶賛した。

同メディアはまた、この試合での日本を「モリヤスの戦略は、サウジにひとつのチャンスも作らせなかったことで完璧だったと言える。日本はわずかな時間で試合を支配することができた。後半の試合は完全に日本が支配し、ミスを犯すサウジに対し、さらにスコアを動かすチャンスも多くあった」と高く評価し、これまで厳しい言葉を浴びせていた指揮官も採点も「7」とし、「日本は最終予選で最高のパフォーマンス。森保監督がスタメンとした選手はマッチし、最後までその優秀さを保った」と賛辞を贈っている。

構成●THE DIGEST編集部

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