【スーパーボウル速報】鉄壁のディフェンスで完勝!シアトル・シーホークスがフランチャイズ史上2度目のスーパーボウル制覇

日本時間2月9日(月)に行われた、全米でも最高峰のスポーツの祭典『スーパーボウル』。
今年で60回目を数える今大会は、AFC:ニューイングランド・ペイトリオッツ、NFC:シアトル・シーホークスの対戦となった。
会場はサンフランシスコにあるリーバイス・スタジアム。西海岸の開催ということもあり、会場はややシアトルファンの方が多く見えた。会場にも、サンフランシスコ・49ersの往年の名プレイヤーであるジョー・モンタナ、スティーブ・ヤング、ジェリー・ライスが登場し、またペイトリオッツのレジェンドであるトム・ブレイディなども訪れた。ビジネス街でもある西海岸だからこそ、数々のセレブもこの会場に訪れていた。
余談だが、現地解説によれば、スーパーボウルの試合間に流れる30秒のテレビCMは1枠8億円からの取引がされていたとのこと。加えて、リーバイス・スタジアムの3階席の端っこの観戦チケットは50〜60万円ほどで、最前列になると数百万円にも上ると話していた。

試合以外にも、バッド・バニーによるハーフタイムショーでは、レディ・ガガがサプライズ登場するなど、試合も試合以外も大いに盛り上がり注目度が高いのがNFLスーパーボウル。何よりもそれらの金額を提示してもテレビCMは多く流れており、また観客席はビッシリと満員で埋まっていた。

全米が注目する中、29 - 13 で見事に優勝を勝ち取ったのはシアトル・シーホークス(フランチャイズ史上2度目)。
MVPは、ランとパスで合計161ヤードを稼いだ、ランニングバック(RB)のケネス・ウォーカー・3世が受賞した。RBのスーパーボウルMVP受賞は1998年以来の出来事だった。

本稿では、今大会の名場面を振り返りながら紹介していきたい。

前回記事:
【スーパーボウル直前】NFL頂上決戦・スーパーボウルとは?世界最大級スポーツイベントを解説

前半:激しいディフェンスのぶつかり合いの中、シーホークスが一歩リード

第1Q:シーホークスが先制

ジョー・モンタナによるコイントスの結果、ペイトリオッツのキックオフ(シーホークスのオフェンス)からスタートしたスーパーボウル。最初のドライブで、相手の様子を伺いながらも要所でパスを通し敵陣まで進めていくシーホークス。第56回スーパーボウルでMVPを受賞したWR:クーパー・カップの見事なキャッチもあり、オープニングドライブをフィールドゴール(キック)で3点先制することに成功した。

元々「ディフェンシブな試合になるだろう」と予想をされていたが、シーホークスが3点を先制したあとは、まさしくその展開になった。お互いにディフェンスの活躍が非常に素晴らしく、常にQBにプレッシャーをかけながら、サックを決めながら、またロングパスをカットしながら、と、とにかく相手のやりたいことをやらせない。

アメフトのオフェンスは10ヤードを4回の攻撃で進まなければならないが、概ね4回目は「パント」という、キックで相手のスタートラインを下げる行為をするために、実質的にオフェンスができるのは3回。3回で10ヤード獲得できないことを「3 & OUT(スリー・アンド・アウト)」と言うが、第1Qの15分間はファーストダウンを取る(10ヤードを更新する)ことが多くなく、3 & OUTで両チームはオフェンスを終える、完璧な守りあいとなった。


4回目の攻撃で「パント」をするシーン


QBにタックルすることを「サック」と言う。フィッシングのセレブレーションは、日本でも流行そうだ

第2Q:ペイトリオッツは流れがつかめず、シーホークスは要所で決めきれない

ペイトリオッツの鉄壁ディフェンスがシーホークスに何もさせなかったわけではない。パスは完璧に防ぐことができていたが、シーホークスのRB:ケネス・ウォーカー・3世のランをなかなか止めることができない。前半終了時点で94ヤードを走れているが、ペイトリオッツの「ラン」ディフェンスはリーグ1位で平均71.3ヤード。ウォーカー1人でペイトリオッツのディフェンスを崩すことができていた。ただ、彼らの本来の持ち味でもあるパスは完璧と言っていいほどにペイトリオッツに押さえ込まれた。

一方のペイトリオッツは、2年目のエースQB:ドレイク・メイが硬いわけではないが、なかなかシーホークスのディフェンスを崩せずにいた。特にパスラッシュの圧力によって3回もサックを浴びてしまった。前半無得点に終わってしまったが、逆に言えばシーホークスにタッチダウンを取らせず、合計3回のフィールドゴールの9得点のみに抑えたディフェンス陣を讃えたい。

数字で見る前半戦は以下の通り。

SEAHAWKS PATRIOTS
RUSH YDS 95 33
PASS YDS 88 48
TOTAL YDS 183 81
SCORE 9 0

前半獲得ヤード数で約100ヤード近いことを見れば、シーホークスはしっかりとオフェンスを上手く機能させながら、タッチダウンまであと一歩届かないまでも得点ができる場所まで運んだ。ペイトリオッツはそれすらさせてもらえなかったが、なんとか決定打はないようにしっかりと守った。そんな前半戦と言えるだろう。9 - 0 のシーホークスがリードで折り返す。


ルーキーのディフェンスライン:ライリー・マイルズのキャリア初のQBサック。オフェンスライン諸共なぎ倒した


ハーフタイムショーにレディ・ガガがサプライズ登場

後半:シーホークスが攻守で魅せる

第3Q:沈黙は引き続き。4本目のフィールドゴールは歴代タイ記録

前半戦を受けてお互いに戦術を練り直し、しっかりと対策して望む後半戦。
先にその成果がでたのはシーホークスだった。前半で完璧に封じ込まれていたパスが気持ちよく通る。パスを通し続けた結果、相手いたスペースにQBのダーノルド自身が走り込む場面もあり、このドライブをまたもフィールドゴールに繋げた。4回目のフィールドゴール成功は、スーパーボウルのタイ記録。ただ、この時点でエースWRであり今シーズンのオフェンスMVPを受賞しているジャクソン・スミス・インジグバが脳震盪の疑いで一度ベンチに退いた。

12 - 0 となった展開で、ペイトリオッツはなんとしても得点に結びつくようなオフェンスを展開したい。ただ、それでもシーホークスのディフェンスがそれを全く許さない。正直に言うと、ペイトリオッツは良いところが全く出せていない。ほとんどの攻撃を3 & OUTに抑えられて、ベンチに戻っても覇気がないように感じた。HCやコーディネーターとQBの会話も少ないように感じてしまった。

そして、第3Qの最後。この日5度目となるQBサックでファンブルを誘発し、シーホークスのリカバーで試合初のターンオーバーを喫してしまう。ペイトリオッツにとっては最悪の状況で、最終Qを迎えることになった。


この日、初のターンオーバー。そしてプレーオフ通算20被サックというNFLレコードを記録してしまったペイトリオッツのメイ

第4Q:シーホークスのディフェンスが爆発!最終Qで17得点

第3Qにファンブルリカバーをした流れをそのままに、シーホークスが一気に流れを作る。
モーションから抜け出したTE:A・J バーナーが、QB:ダーノルドからのパスを受け、ついにこの日初のタッチダウンを奪う。トライフォーポイントも成功し、19 - 0。このままいくと完封勝利すら見えてくる。

そんな中でも予想に反して、あっさりとペイトリオッツはタッチダウンを取り返す。2つ、WRのマック・ホリンズへ良いパスを投げ、2つ目のパスでタッチダウンを決めたわけだが、このドライブはたった57秒で終わったこと、過去ペイトリオッツが何度も逆転劇を演じていることから、不気味な怖さもあった。

次のシーホークスのオフェンスをきっちり守り、もう1つタッチダウンを取って射程圏内にいきたいペイトリオッツは、QBのメイが自らの足で稼ぐなど、先ほどのタッチダウンからの勢いそのままに前進していく。ただ、一気にタッチダウンを狙うようなロングパスを、シーホークスがインターセプト。この場面、事前にペイトリオッツのQBのメイは利き腕である右肩を痛めているという情報があったが、現地解説も「肩の怪我の影響が出ているのかもしれない」とコメント。実際、このパスも2人のレシーバーのどちらを狙ったのかが非常に曖昧なパスだったと言えるだろう。
シーホークスはこのドライブをきっちりとフィールドゴールに結びつけ、22 - 7となった。

ペイトリオッツに再び魔の手が襲いかかる。
勝ちを諦めないメイは、再びロングパスを狙うが、これがシーホークスのプレッシャーに捕まり、ファンブルしてしまう。記録としてインターセプトになったが、これを回収したシーホークスのLB:ウチェナ・ヌウォスがリターンタッチダウン。残り4:27の時点で、29 - 7と、アメフトの試合ではほぼ勝利が確定したような展開になった。

その後、ペイトリオッツは再びタッチダウンを取り 29 - 13と盛り返すも、反撃もここまで。第60回スーパーボウルは、シアトル・シーホークス(フランチャイズ史上2度目)の完勝で幕を閉じた。また、移籍初年度でスーパーボウルのチャンピオンにまで導いたQBのサム・ダーノルドは2018年のドラフトでNFL入りしているが、当初から全くと言って良いほど目立っていない存在だった。加えてこの年のドラフトではラマー・ジャクソン(ボルティモア・レイブンズ)、ジョシュ・アレン(バッファロー・ビルズ)らのタレントが揃っているが、同級生の中で初めてスーパーボウルを制したQBとなった。また、プレーオフに入ってからスーパーボウルまで、1度もインターセプトをされなかったという判断力の高さも見せつけた。

SEAHAWKS PATRIOTS
RUSH YDS 147 79
PASS YDS 188 252
TOTAL YDS 335 331
TURNOVERS 0 3
SCORE 29 13

CHAMPIONS:SEATTLE SEAHAWKS

SEATTLE 29 - 13 NEW ENGLAND

SEA:3|6|3|17
NE :0|0|0|13

MVP:

RB:KENNETH WALKER III(ケネス・ウォーカー・3世)
※ランニングバックのMVP受賞は1998年以来