THINK SPORTS『コーチング』

 

小さい頃からスポーツをやってきた人であれば、自分のスポーツ人生のなかで何人かのコーチとの出会いがあっただろう。

 

よいコーチに巡り会って劇的にレベルアップしたという人がいるかもしれない。反対にコーチの指導と相性が合わず、いやな思い出が残っている人もいるかもしれない。

 

そして年を経て、自分がコーチの側になっている人もいるのではないだろうか。

 

スポーツの指導は大変難しい。選手たちの気質も変わり、個性もさまざまなかで、昔の常識や自分の経験則だけでは立ちいかない場合も多く、苦労されているコーチは多いようだ。

 

コーチングの方法にはいくつかの種類があって、それぞれにメリット・デメリットがある。

 

いちばんわかりやすいのは「ミーティング」だろう。練習の前後だったり、合間などに、全体を集めて話す方法などだ。コーチのメッセージを確実に伝えるには効果的で、チームの共通理解も得られやすい。ただ、話だけでは実際のプレーを選手たちがイメージしにくい面もあるし、話が長くなりすぎると聞き手の集中力がなくなることも。

 

ほかにはトレーニング中にプレーを一旦止めて指導する、「フリーズ」という方法がある。できなかったプレーをその場でチェックして正解を覚えたり、いいプレーを再現することで身に着けてもらう。具体的なプレーを当人だけでなく、周囲の選手たちにもわかりやすく伝えられる。ただ、これも頻繁にやるとプレーの流れが止まってつまらなくなる。

 

「シンクロ」というやり方もある。これはプレーを止めないで声掛けをする方法だ。いいプレーをしたときに声掛けができれば、選手はどのタイミングで何をすればいいかがわかるようになってくる。ただこれは、言われた当人は理解できても、他の選手にはわかりにくい面があるそうだ。

 

こうしたコーチング方法の使い分けで、関わる選手たちを成長させていくのである。見てみると、「あのときのコーチのやり方はこの方法だったな」などと思った人も多いのではないだろうか。

 

つまり、これまでさまざまあった指導方法が、現在は明文化、明確化されてきたということだろう。

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