
THINK SPORTS『ポリバレント』
先日、サッカー元日本代表監督のイビチャ・オシム氏が逝去された。
オシム監督が使っていた言葉に「ポリバレント」というものがある。複数のポジションをこなせる選手という意味で使われた。
以前、「ユーティリティプレーヤー」という言葉を「例えばサッカーなどで複数のポジションをこなすことができ、チームの役に立てる選手のこと」と紹介したが、ポリバレントはこれとほぼ同じ意味。
だが、オシム監督の登場以降、日本のサッカー界では特に、「ユーティリティ」がこの「ポリバレント」に取って代わった感がある。
そして、ポリバレントなプレーヤーは、ここに来て大きな進化を遂げている。
「ユーティリティ」の言葉の時代は、その反対に「スペシャリスト」という言葉もあり、複数のポジションをこなせてチームの役に立つプレーヤーに対し、ひとつのポジションで特別な能力を発揮してチームに貢献するプレーヤーの存在があった。
現在の「ポリバレント」と言われるプレーヤーは、複数こなせるどのポジションでも「スペシャリスト」的な活躍ができている。
試合ごとにポジションが変わるというレベルではなく、今や試合展開やチームの交代策によって、1試合のなかで複数のポジションを務めるのが当たり前だ。
加えて、激しくポジションチェンジする現代サッカーのなかで、1つの展開のなかでも後方でディフェンシブなプレーをしたかと思えば、中盤にあがってパスワークに加わり、最後は相手ゴール前で得点まで決める、といったプレーもたくさん出てきている。
「ポリバレントなんて当然」という時代が、もうすぐ来るのかもしれない。
日本サッカーに多大な影響を与えたオシム監督の言葉は、今後もさらなる進化を見せそうだ。
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