THINK SPORTS『過密日程』

 

サッカー界で過密日程の問題が話題になった。

世界のトップクラスの選手が集まっているイングランドやスペインなどのヨーロッパのリーグでは、週末のリーグ戦のほかに、週の半ばに国内のカップ戦や、ヨーロッパ単位でのリーグ戦の試合などがあり、週2回ペースが当たり前だ。

各国の代表選手となると、これに加えて代表戦に出場している。今の日本代表選手たちはヨーロッパでプレーしている選手がほとんどだが、彼らは代表戦の度にヨーロッパと日本(アジア)の間を長時間移動するわけで、これも過酷といわれる。

野球のMLBは年間162試合をこなす。広いアメリカ大陸を移動しながら、シーズン中はほとんど毎日が試合ということになる。先発ピッチャーはローテーション登板などで試合間が空くが、中継ぎ・抑えの投手や野手はそういうわけにはいかないから、相当に過酷だ。

過密日程では選手たちには当然疲労が溜まるから、ケガのリスクが高まり、実際サッカーではヨーロッパのトップリーグで、1シーズンを通してプレーし続けられる選手は少ない。毎年活躍し続けられるトッププレーヤーというのもまれである。

疲労した体を回復させる時間が少ないため、肉体的な負担はもちろんなのだが、プレッシャーがかかり続けることも加わって精神的負担もまた大きい。トップアスリートはタフだろうと思われがちだが、過密日程でうつになる選手が少なくないのが現状だ。

なぜ試合を多くするのかといえば、そうしないとお金が回らない面があるからだろう。しかし、肉体的にも精神的にもフレッシュな選手たちのプレーが見たいのは当たり前である。どこでバランスをとるのかは、この先の大きな課題だ。

 

 

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