THINK SPORTS『寮生活』

 

全国から優秀なアスリートを集めるスポーツ強豪高校や大学では、選手たちは昔から寮生活をして学生時代を過ごすケースも多い。

この寮生活、ひと昔前は先輩との上下関係や、洗濯などさまざまな雑用をこなさなければならないなどで、「厳しさ」がつきまとうイメージだったが、最近では随分と変わってきているようだ。

まずは寮そのものが、清潔感あふれるところが増えてきている。部屋も複数人ではなく、選手のプライベートを確保するため、ひとり部屋が増えてきているという。

食事は栄養士さんに管理された、充実したものがほとんど。若いアスリートがとる食事だから当たり前といえばそれまでだが、これもひと昔前だと栄養バランスは二の次で、量だけは確保するといったところも少なくなかった。

また、洗濯はなんと業者が請け負ってくれる寮もあるという。個室が確保され、栄養の行き届いた食事があり、そして洗濯もやってくれるとなれば、選手は競技(と学業)により集中できるというものだ。

こうした背景には、寮生活を魅力あるものにしないと選手が集まらない、保護者も子どもを預けたがらない事情がある。

ただ至れり尽くせりの環境は、以前の寮生活のメリットだった他人とのコミュニケーション能力の向上や、親元を離れた生活で子どもが自立するなどといった面で、逆に育まれにくくなるかもしれない。

令和のスポーツ寮生活は、それはそれで課題もまたいろいろと出てくるのだろう。

ちなみに、そうしたなかでスマートフォンは、さすがに使用時間が制限されているところが多いそうだ。

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