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THINK SPORTS『スカウト』
毎年秋といえば、日本のプロ野球だと翌年の新入団選手の「ドラフト」が大きな話題となる。サッカーのJリーグでも、翌シーズンの新入団選手の発表が続々と行われ、各クラブのファンから注目が集まるころだ。
この新たなプロ選手たちのスタートに大きくかかわっているのが、彼らの力を見極めて入団へ導く「スカウト」の存在だ。
スカウトの基本的な役割は、優れた選手を見つけ出すこと。若い選手たちがプレーする高校や大学の大会、試合を観戦したり、チームの練習に訪問したりする。常に全国を飛び回る仕事だ。
選手のどこを見るかは、もちろんパフォーマンスの良し悪しだけではない。その選手の身体能力も含めた将来性、プレースタイルが自チームに合っているかなど、さまざまなチェック項目がある。また「一度見たときたまたま調子がよかった」では困るから、これと思った選手は継続してチェックする必要もあるだろう。
最近では人間性を重視しているという話もよく出てくる。いくら能力の優れた選手でも、監督やコーチ、チームメイトと円滑にコミュニケーションがとれなければ力を発揮できないし、かえってチームに迷惑をかけることになる。また近年は周囲の監視とSNSの影響があるから、素行の悪さなどもってのほかだ。
そうした情報収集のためにも、スカウトは獲得したい選手とのやり取りだけでなく、所属チームの関係者や他のスカウトとのネットワークを作り、信頼関係を築いておく必要がある。場合によっては選手の家族とのやり取りもあるから、スカウトもまたコミュニケーション能力が不可欠だ。
そのようにして、膨大な数の選手のなかからこれはという卵を見つけるスカウト。ドラフトの話題のときには、そうした方たちの労力や苦労にも目を向けるようにしたい。
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