THINK SPORTS『遅咲きの選手』

 

近年各スポーツのトップ選手は、10代の若いうちから頭角を現すのが普通になっている。

サッカーでは先日の『EURO2024』(欧州選手権)で優勝したスペイン代表で、16歳のラミン・ヤマルが大活躍。大会中、学校の宿題をやっていたことも話題になった。

そのほかにも、10代でプロデビューする選手はどんどん増えていて、最近では日本人選手でも高校卒業後すぐに欧州のクラブへ入団し、若い段階でのトップレベルへのステップアップを目指す選手が増えている。

日本の野球には、高校野球の春夏の甲子園大会に多くの人の注目が集まる。そこで活躍したなかから数年後にプロ野球でスターになる選手も多く、そんな彼らの成長を見るのは、スポーツファンにとって楽しみの一つである。

一方で、10代の頃はまったくの無名。20代半ばや30代に差し掛かるようなところで脚光を浴びる、いわゆる「遅咲き」のスポーツ選手もいる。

野球であれば、高校卒業後にプロの世界に入れず、大学野球へ進むがそれでもプロから声がかからず、社会人野球を経てついにプロ野球へという選手もいる。こうなるとデビューは20代半ばということになる。

それでも遅咲きの選手は多く人の心を揺さぶる。時に挫折を経験しながら、時にプロへのレールを外れかけながらも、プロの舞台での活躍を夢見て諦めずに続けてきたからだろう。その努力と情熱が、ファンを感動させるのである。

サッカーであれば古橋亨梧(セルティック)が有名だ。高校、大学を経て、J2のFC岐阜に入団。そこへゴールを取りまくってJ1のヴィッセル神戸へ移籍。そこでの活躍を得てスコットランドの名門セルティックに引き抜かれた時は、26歳になっていた。

 

このように遅咲きの選手が、徐々にプレーの舞台をステップアップさせ、コツコツと階段をのぼっていく様子は、人々を大いにひきつける。

また、野球やサッカーのように、年齢を重ねていても、実力があれば受け入れるという環境があることも、忘れてはいけないだろう。
 

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