最高の一瞬『砂を撮る_ビーチバレー』
ビーチバレーと言えば、ネット上のやり取りとボールの行方が注目されて、そこへ目が行くわけです。
ところが、大先輩のカメラマンでビーチバレーのオフィシャルをずっとやっていた方がいらっしゃって、その先輩が「ビーチバレーは砂を撮る競技なんだ」と言われていたのがすごく印象に残っていました。
それ以降、砂の動きは結構注意して見るようにしていて、どうやったらその砂の動きが、綺麗に見えるような写真が撮れるのかと、すごく考えていたんですね。
この写真は、2022年に東京立川の「TACHIHI BEACH」で行われた、ビーチバレーのジャパンツアーのときのものです。
夕方、段々日が落ちてくると光がサイドから入ってきて、背景が綺麗に黒く落ちるところを見つけられるようになってきます。これは砂の写真を撮るのにもってこいの環境だなと思って、途中から足元だけを見るみたいな感じで撮りました。
別にこうした砂の動き自体は、ビーチバレーの試合のなかではしょっちゅう起こっているものなんです。ただ、それを普通に撮ると全然その砂感が出なかったりします。明るいと砂が見えなかったりするんですね。
あくまで背景、要は斜めから光が入ってきて、背景がある程度黒く落ちていないと、こういうふうに砂に目が行かないんですね。
僕はずっとビーチバレーを追いかけているわけではないので、なかなかチャンスがなかったんですが、10年越しくらいでやっとチャンスが巡ってきて、いろんな状況が整いました。撮れてよかったという感じです。
▼髙須力(たかす・つとむ)
1978年東京都出身。2002年より独学で写真を始め、サッカーを中心に幅広い競技を撮影。FIFAワールドカップは2006年ドイツ大会から2022年カタール大会まで5大会連続取材中。ライフワークでセパタクロー日本代表を追いかけている。
ANSP(日本スポーツ写真協会)会員
AJPS(日本スポーツプレス協会)会員
AIPS(国際スポーツプレス協会)会員
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