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無名選手がJリーガーになれた理由…C大阪・渡邉りょう「“挑戦しないこと”が一番の失敗」

3. トレーニング、栄養、睡眠

渡邉 この3つを全てしっかりやっていないと、自分に何も返ってこないと感じています。トレーニングを一生懸命やっても栄養が偏っていたり、栄養を摂れていても睡眠不足だったりすると、パフォーマンスに影響が出てしまう。どれか1つが欠けていてもダメだと、特にプロになってから痛感しました。

活躍している選手を見ると、この3つにすごく気をつけているんですよね。最近、三笘薫選手のトレーニングの様子をテレビで見ました。あのレベルの人があれくらいストイックにやっているのなら、僕らはそれ以上にやらなければいけないと思ったところです。

栄養面ですと、極力、揚げ物と砂糖を摂らないようにしています。砂糖を摂取すると、疲れやすいという情報を聞いてから一切やめています。

睡眠は毎日決まった時間に寝起きすることをルーティン化することがポイントだと思っています。疲れにくい体にしたうえでトレーニングを行い、しっかり寝ることを心がけていますね。

竹中 それは昔から大事にしていたことですか?

渡邉 高校、大学時代はできていなかったです。大学のサッカー部は5時50分起床で、練習が7時スタートと朝が早かったのですが、早寝は習慣化できませんでした。ただ学年が上がるにつれて調整できるようになったので、それが今にも繋がっていると思います。

4. 逃げないこと

渡邉 逃げないことが正しいわけではなくて、困難な状況になった時に「どう自分を奮い立たせて挑戦していくか」が肝だと僕は思うんです。そうでなければ、僕は今、こんな立ち位置まで来られていないと思いますから。

僕はこれまで決していい時ばかりではなく、むしろ割合で言ったら、9割が辛くてきついことの方が多かったと感じています。それこそ大学では周りを見れば、恐れ多いメンバーばかりだったこともあり、逃げ出すシーンはいくらでもありました。

竹中 プロになる最後のチャンスを掴もうと「死ぬ気で4年間を頑張る」みたいな、そういうスタンスの選手が多かったのではないですか?

渡邉 めちゃくちゃそうでした。でもやっぱり逃げたら終わってしまうので、そこで逃げずに正攻法で戦うか、違うルートか、自分はどうするべきかをすごく考えて取り組みました。「逃げないこと」は、今の人生に大きく影響していると思います。

竹中 ちなみに、最も逃げたかった瞬間はいつでしたか?

渡邉 全試合出場した2年目の時の試合です。0-1で負けている状況から後半1-1に追いついて、その後に決定機が訪れました。ドリブルでペナルティエリアに進入した選手が、キーパーを引きつけたまま僕にパスを出してくれたんです。僕は後ろから走り込んでシュートを決めれば良かったのですが、力が入りすぎて右に外してしまった。さらに最後は逆転されて負けてしまい…自分の実力不足の一言です。

その時はマジで逃げ出したいと思いました。ですが、ここで逃げたらサッカー選手とは言えないなと思い直し、次の試合でリベンジすると決めて練習に取り組んだんです。本当に悔しかったし、やめたくなりましたが、グッと堪えてその後も続けたことが自分にとっては大きなことかなと思います。

5. 応援してくれている人に会う

渡邉 大学の時から意識し始めて、沼津時代に、より一層大切にしていくべきだと実感したことです。というのも、僕は大学4年生の1年間をプロ1年目に置き換えて、スポンサー企業を大学、その企業の方々を先生と捉えて行動をしてみました。

そうしたところ、基本的な挨拶はもちろん、いろいろな人に話しかけるというコミュニケーションがすごく大事だなと気づきました。

また、卒業後に加入した沼津では、サッカーだけでは生活できなかったので、スポンサー企業さんのところで働かせてもらっていたんですね。そこで、仕事をしながらサッカーができるありがたみを切に感じたんです。

そこから、応援してくれる人たちに自分から会いにいくことは、すごく大事なことだと学びました。沼津でお世話になった企業の方々とは、今でも連絡を取らせていただいています。

そういう方々に会ってエネルギーをもらうことこそ、実は僕が一番大事にしていることかもしれません。それに、サッカーは団体競技だけれど、選手は個人事業主とも言えますから、自分に対するサポーターという存在が必要だと僕は考えています。

そういった意味でも、みなさんに会うことによって、さらに僕のことを応援してくれるかもしれない。その可能性を少しずつ広げていければ、自分の価値を高めることにも繋がっていくと思います。

ただ、自分がピッチで活躍する姿を見せなければ、応援してくれている方々に会う意味もなくなってしまうので、僕はピッチで結果を出し続けることを一番に考えて、これからも頑張っていきます。

竹中 素晴らしいお話でした。今、そこまで強くない中高でサッカーをしている人たちも、この5つを意識すれば、道が拓けるかもしれないですね。本日はありがとうございました!

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