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「誰かがやらなければいけないなら」JFAとデロイト トーマツが創る、新たなスポーツマーケット【JFAパートナー企画 #8】

47都道府県×110%の可能性

ーパートナーになってから2年間で、他には具体的にどういった取り組みをしてきたのか教えていただけますか?

里崎:9地域/47都道府県サッカー協会における、ガバナンスレベル向上プロジェクトです。JFAさんは、47都道府県に傘下となる協会を持たれています。地方の協会ではどうしてもボランティアのような形で運営せざるを得ないところもあり、数人の有志の方の力で、なんとかやりくりしている場合も少なくありません。

そのため、JFAさんなどから多額の補助金が与えられているのにも関わらず、その管理や有効活用が十分でないと判断せざるをえない現状もあります。そこで、ガバナンスやコンプライアンスの構築に強みを持っている我々が、9地域/47都道府県サッカー協会に貢献できる取り組みをしようということになりました。

最初に取り組んだのは、現状のガバナンスレベルの可視化です。協会ごとに改善が必要な場合は、具体的にどこをどう強化していけば、最低限のレベルに届くのかを可視化していきました。

現状を可視化することで、自助努力を促しつつ、JFAさんも必要に応じてフォローできる体制を目指しました。その中で感じたのは、各地域のサッカー協会で活動をされている方は、すごく情熱のある方が多いということでした。

北澤:それがいいところでもありますよね。ただ、これまではJFAのサポートが届かず、問題点を吸い上げることができていませんでした。体制を整えていただいたおかげで、今までできなかったアプローチができた。非常に大きな取り組みです。

里崎:JFA本体が活動すること自体も大きな影響力がありますが、JFAさんは47都道府県のサッカー協会にネットワークがあるわけです。それぞれの協会が10%ずつレベルアップしたら、全体の力は計り知れないほど大きくなります。

ー自分も地方に中高生の試合の取材に行った時には、協会の方の苦労を目の当たりにします。北澤さんは地域間の普及、育成の課題についてどう考えていますか?

北澤:サッカーへの思いを持って活動していただいているのは、ありがたいです。そういった人たちのおかげで、日本サッカーが発展してきたことは間違いありません。

一方で、責任という観点から考えると、有償で雇用される人を増やしていく必要があると思います。JFAに関わっているかどうかに関係なく、日本サッカーの未来における本質的な考えを理解しなければ、将来の発展もありません。

ー先ほどから、サッカーの社会的価値という話が出ていますが、北澤さんはどういったところに価値があると思いますか?

北澤:スポーツから得られる感動、人の心を動かし豊かにするという点は昔から変わりません。今後は、教育や健康、街づくりにも繋がっていくと思います。競技を超えた繋がりを見せているという点では、やはり価値は大きく変化していると感じます。

地域創生にも繋がるだろうし、子どもたちに夢を与えることもできます。また、ここ数年はいろんな企業や機関と連携させてもらえるようになってきました。サッカーの価値は変わっているなと感じます。

ー経済的な価値だけでなく、社会的な価値も可視化させてくれるのはありがたいですよね。

里崎:ただ、価値の可視化は自分たちで実施することもできますが、自己評価は対外的にはあまり信ぴょう性が得られないのが一般的です。そこで、デロイト トーマツの特徴の一つでもある『第三者性』が活かせると考えています。

もちろんクライアントのためにという前提はあるんですが、我々は監査法人系のグループでもあるので、あくまで公平中立な立ち位置であることが要求されます。そこをうまく使っていただくことで、公平中立的な立場からの評価で、これだけの価値を生み出しているということを説明できるのは、それ自体、大きな意味があるのではないかと思っています。

価値は自分たちで見つけなければならない

ー北澤さんは、JFAの取り組みにすごく参加されている印象があります。JYDの存在意義や価値についてはどう考えていますか?

北澤:Jリーグが誕生した時は、サッカーというコンテンツに興味を持ってもらう必要がありました。そのために、我々はなんとか勝って時代を変えていかなければいけなかったんです。

しかし、時代が変わって、求められるものも変わりました。今はサッカーを利用してもらえるだけの価値を、自分たちで見つけなければいけません。いろんな人たちと関わりながら、JFAだけでは出せないアイデアを出し合いながら進むことが大切だと思います。

ー「勝って示さなければいけない」という言葉は、当時を知る北澤さんだからこそ説得力がありますね。

北澤:当然、今も勝たなきゃいけませんよ。負けられないのは前提です。ただ、それ以上にやらなければいけない、求められていることが、社会の中の立ち位置とともに変わっていると思います。

ーフェーズが変わってきたということでいうと、W杯に出るのが当たり前になっていますよね。

北澤:小学生と話す時は、自分の認識を変えないといけません。子どもたちに対しては、将来の伸びしろを考慮した話し方とか、夢を与えるような接し方をしなきゃいけないなと思っています。「僕たちのときは…」と言っても仕方ない。

ただ、W杯でベスト16からベスト8、ベスト4に進むのも、みんなが思っているほど簡単にはいかないと思います。他の国がどれだけの歴史を重ねてきているんだと。ですが、今回お話してきたことは、より早く結果を出すことに繋がる取り組みだと思っています。

ー最後に、JFAとデロイト トーマツが作り出す未来について教えていただけますか?

北澤:地域に対しての取り組みは、前に前に進もうとすると、見落としがちな部分だと思うんです。我々のような、協会のオフィスにいる人たちだけがJFAという認識ではいけません。

47都道府県サッカー協会のすべての人たちにも、JFAのスタンダードを定義してあげられるかが大切です。同じ価値観を持ちフィットした関係でないと、未来の話は進んでいかないと思います。

そうした前提の上で、サッカーにはもっと多様な価値があると思いますし、JYDとしてやりたいこともたくさんあります。その時に、中立的な立場で意見をいただけるのはありがたいですね。

里崎:それが我々の提供できる価値ですからね。せっかくパートナーになったのだから、デロイト トーマツの特徴をうまく活用してほしいです。まず主体的に、JFAさん自身がいろいろなことに取り組んでみる。その後、誰かと一緒にやっていこうという、次のステージに来ています。

コロナの影響で、皆さんの価値観や環境は大きく変化しています。収束しても、コロナ前と同じ状態に戻るのかといえば、それは違うと考えています。日本代表戦や、サッカー教室も、おそらく皆さんの中での意味合いが変わってくる。そういった変化に対して、常にアンテナを張って、チェックをしていく。そのように変化に適応していくところで、サポートを続けていきたいです。

JFA Youth & Development Programme について詳細はこちら!

JYDへの日本サッカー協会の思いもAZrenaで取材させていただきました!こちらもぜひご覧下さい!

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