【コラム】DAZNの強気値上げに併せて実現して欲しい7つの機能

サッカー

今年1月25日、スポーツ動画配信サービス「DAZN」が値上げを発表しました。

月額料金を従来の1925円から2月より3000円と強気の大幅値上げを見せたことで、ユーザーたちからは落胆や怒りの声が上がっています。ただ、今回の値上げについて「今後さらなる成長のために必要だった」と説明しているだけに、何かしらの新たな機能が実装されるかもしれません。

そこで、個性的な分析から東京五輪のMVPを選出していただいたtkqさんに、今回も「DAZN値上げで実現して欲しい機能」を選んでいただきました。(文:tkq)

2022年1月末、正月の熱狂がようやく落ち着いてきた時期に、世間を揺るがす事件が起こりました。サイゼリヤデート問題? 北京五輪? 岸田首相の空中浮遊? いいえ、違います。DAZNの値上げです。

従来の月払いだと1,925円、年間契約だと19,250円という料金から、3,000円/月もしくは27,000円/年という大幅な値上げです。なんということでしょうか。これでは月に5本もストロングゼロ(500ml/約210円)を節約しなければいけないじゃないですか(税込み)。

この知らせにスポーツファンは嘆き、怒り、あるいは絶望してジェフユナイテッド千葉のファンになったと言われています。

ただ、さすがにここまでの値上げが実施されるのなら、多少の機能アップがあってもよいのではないでしょうか? ということで、あったら嬉しい、DAZN値上げで実現して欲しい機能をまとめました!DAZNが4文字ということで、7項目です!

早送り・巻戻しなど再生機能の改善

正直言って、DAZNの早送り・巻戻し機能は使いづらいです。

PCなら好きな時間に飛ぶことができますが、FireTVで見ていると先の方の時間を見るには延々と早送り・巻戻しをするしかありません。また、PCでもプレビュー画面がないので、適当に時間を見て勘で飛ぶしかないのです。

正確なシーンを見るためには、熟練の技が必要となっています。私はこの技能を身に着けるために、片眉を剃り落してそれが再び生え揃うまで山に籠りました。そんなスキル、本当にいらないです。30秒送り(戻し)・倍速再生なども含めて、ここらへんの機能がいい感じに改善されると、私はDAZNに抱かれます。

ダウンロード機能

アーカイブ機能のなさはDAZNにとって当初からの重要な問題であり、今もって解決していません。見逃し配信は1週間程度で消え、二度と見ることができず、録画も不可能。「あの最高の試合をもう一度見たい!!」というファンの願いは叶いません。

私も、この機能がないことで、サッカー中国代表のリー・ティエ元監督が日本代表戦で試合中にずっと自分の前髪をフーフーしていたムーブを見返すことができなくて、痛恨の極みです。ぜひ実装をお願いします。

一応、ヘルプには「今後の期間延長やダウンロード視聴への対応も検討させていただいております」と書いてはいるんですよね。いつの文章か知りませんけど。ダウンロード機能が実装されたら、私はDAZNに抱かれます。

支払い履歴の確認・領収書の発行

ウェブ上のマイ・アカウントページから支払いの履歴を見ようとすると、「現在表示準備です」の文言が2年以上出続けています。問い合わせたところ、サインアウトからの再ログインをと言われ、それでも表示がされないのでその旨を伝えたところ、「改善します」とのことでした。

問い合わせをしたのは1年以上前で、いまだに表示準備中です。さすがに温厚で気長な私でも、全裸でDAZN本社前に抗議の座り込みをしてしまいそうです。

というか、むしろこれができないのは自分だけで、他のみんなはできているのでしょうか? だとしたらこれは政府の陰謀でありイルミナティがロスチャイルドして全てはワクチンに仕込まれた5Gウイルスのせいなのでは? 早急に改善して、MAKE DAZN GREAT AGAINしていただければ、抱かれてもいいと思っています。

見られる競技の増加

なんだか、どんどん見られる試合が減っていませんか。

契約の問題上、仕方がないとは言え、昔は見れていたバレーボールやNBAなども今では見ることができません。さらには、視聴可能なサッカーのリーグも減ってきていて、来シーズンのプレミアリーグを見られるか怪しいという話も出回っています。

値上げするのなら、より多くのスポーツ、リーグが見られるようになってほしいですよね。手始めに、馬車競技の復活はどうでしょうか?

DAZN初期になぜか放送していた馬車競技ですが、英語での実況のためルールも勝利条件も把握することができないまま、いつのまにか消えてしまいました。その復活を望むユーザーの声も強いのではないでしょうか。競技の多様性のためにもぜひ馬車競技の復活を!放送復活の際には、私は馬車に抱かれます。

推しチームが有利になる

高いお金を払って視聴するからには、気持ちのいい試合を見たいじゃないですか。わざわざ金を払って負け試合を見るなんてマゾの極みです。

試合開始直後に相手に3枚のレッドカードを提示、タッチダウンでの得点が相手の倍、相手のピッチャーが利き腕と逆で投げる、他のF1カーのタイヤがドーナッツなどの具体的かつ圧倒的なアドバンテージが与えられてもいいと思いませんか?

そうですよね、思いますよね。ただ、問題は他のチームを応援するファンも課金しているということなんですよね。そこらへんの利害に関してうまくコントロールしていただければ、私はDAZNの調整能力に抱かれます。

人生が上向く

金額が上昇したことによって、人生自体もガンガンに上昇するのがいいのではないでしょうか。仕事はどんどんうまくいき、体の悪い部分も瞬く間に治って健康体に、気になっていたあの人も急にLINEの既読スルーをやめてくれるし、買った馬券の2割は必ず当たり、生牡蠣を食べても決して当たらず、歩いた足跡からは花が咲き誇り、肩からは石油が噴き出して、手の平からはワインが溢れ出ます。もう抱かれますよね、絶対。

何も起こらない、現実は非情である

色々と予想を立てましたが、一番最後のこの「何も起こらない」という可能性が一番高いでしょう。

料金値上げしたのに何もメリットがないことにみなさんは怒るかもしれませんが、DAZN側としては何か機能を追加する理由はないんです。だって、客に逃げられる心配がないんですから。

ちょっと昔に、地方の商店街の近くに大規模安売り店が進出し、根こそぎ商店街を壊滅させるなんて話をよく聞いていたかもしれません。“安いところに買い物に行く”それは消費者の合理的な行動なので、止めることができません。

しかし、その後に大規模店が商品の値上げを敢行したとしても、他の店に買いに行くことは不可能です。もう選択肢はなくなっているんですから。

今回のDAZNの値上げで起こっていることも同じことです。値上げして何も機能追加がないんだったら契約を辞めてやる! と強気に出られればいいんですが、そうもいかないんですよね。だって、Jリーグなどのスポーツは他に放送してるところがないんですから。

要するに、我々はもうDAZNに抱かれてしまっているんです。まあでもその抱かれ方は「悔しい……でも感じちゃう……!」という歪な関係ではあるんですけど。

ここで、値上げと言ってもまだ月3000円じゃないか、という意見があるのもわかります。

たとえば昔海外サッカーとJリーグの全ての試合をスカパー! で見ようとしたら月に6000円くらいかかっていたんです。それに比べたら、今のところはまだまだ全然安いもんですよ。

ただ、その頃とは全く時代が変わってきていることは認識しなければいけません。NetflixやSpotifyは月に約1000円で使用することができ、Youtubeは無料で見ることができます。

費用もそうなんですが、なによりも可処分時間をいろんなエンターテイメントで奪い合っているというサブスク大戦争時代なんですよね。

そういう状況で、2時間もライブで拘束する上に、機能がアップデートされず、使いづらい環境を維持していたらどうなるのでしょうか。

「好きだけど、時間もお金ももったいないし、もうスポーツはいいかな」なんて気持ちになってしまうかもしれませんよね。そうなったら、もう二度とその人たちはスポーツに戻ってこないでしょう。だってNetflixもYoutubeも楽しいですからね。

現代は、コンテンツが溢れてる時代だからこそ、視聴者はコンテンツだけを見ているのではありません。コンテンツを配信している企業のスタイルも含めた「物語」を見ているのです。

そして、その物語を選択している自分がいったいどういう目で周囲に見られているか、ということが最も重要になってくるんですよね。だからこそ、DAZNもできる範囲でユーザーフレンドリーな機能改善をしていく(あるいは機能改善に前向きな態度を見せる)ことは重要なんじゃないかな、と思います。

そういう姿勢が、DAZNが今後またやむなく値上げした場合にも率先してついていくという「本当にDAZNに抱かれている人」を作っていくんじゃないでしょうか。DAZNさん、どうか私を、抱いてください!!

■プロフィール
tkq(@tkq12
日本プロスポーツスローガン研究会上級顧問。主にサッカーチームのスローガンについて日々研究を重ねています。応援するチーム(ジェフユナイテッド千葉)がJ2に10年以上幽閉中で、何とか法的措置で昇格できないか模索中。

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