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「24時間365日、ポケモンのことを考えている会社」は、なぜJFAと契約したのか。【JFAパートナー企画#6】

左から株式会社ポケモンのイベントディレクター 山際潤一氏、JFA マーケティング部の髙井康隆氏

日本サッカー協会(JFA)の活動を通じて社会、地域、企業の課題を解決するプログラム「JFA Youth & Development Programme(JYD)」。第6回の今回は、株式会社ポケモンとの取り組みについてご紹介します。

〈過去の連載はこちら〉
#0 日本サッカー協会が目指す、パートナーシップのあり方。サッカーだからこそできる課題解決

#1 「当たり前にある安心」を求めて。モルテンは黒子として日本サッカーを支え続ける

#2 すべてのサッカー選手のケガを防ぐために。ニチバンがJFAと組む理由

#3 「25億人の生活を向上させる」JFAとPHILIPS、合致した目的地。

#4 日本サッカー界に帰ってきたフジタ。JFAと進める、芝生のある街づくり

#5 日本総研が目指す、「サッカーから始まるまちづくり」とは?

JFAと同社は2020年11月、『JYDサポーター』契約を締結し、ストライカーポケモン『エースバーン』が、JFAキッズアンバサダーに就任したことを発表しました。現在は全国の子どもたちに、ポケモンと一緒にサッカーの裾野を広げるための活動を展開しています。

ポケモンとサッカー。一見無縁に思える両者が契約を結んだ背景には、目指す未来の一致がありました。今回は、株式会社ポケモンのイベントディレクター 山際潤一さんと、JFA マーケティング部の髙井康隆さんに、JYDパートナー契約の締結によって広がった可能性についてうかがいました。

子どもから大人まで魅了するポケモンの強み

山際:株式会社ポケモンは24時間365日、ポケモンのことを考えている会社です。900種類以上のポケモンの個性を生かしながら、ビジネスだけでなく、子どもたちや社会のためになる取り組みも考え、実行するのが私たちの役目だと思っています。

ーJFAさんとの協業は、「社会のためになる取り組み」という観点からのものでしょうか?

山際:仰る通りです。今回の取り組みについて、実は『スポーツ』という観点からJFAさんに辿り着いたわけではないのです。スポーツに限らず、子どもたちや社会のためになる取り組みについて日々新しい試みを模索する中で、JFAさんが子どもたちに向けたサッカーの普及活動をしていることを知りました。

個人的にJFAさんといえば、代表戦や天皇杯などの大会運営・代表選考をされているイメージが強くありましたが、サッカーの裾野を広げる活動にも力をいれられているのだなと。

ーサッカー普及の活動に、どのような関わり方ができると考えられたのでしょうか?

山際:ポケモンには、『ストライカーポケモン』という分類のエースバーンがいます。「エースバーンとJFAさんの活動を組み合わせたら、これまでにない面白いことができるのではないか」と思い、JFAさんにご連絡させていただいたのがきっかけです。

一般的にキャラクタービジネスは、「20年経つと2周目に入る」と言われています。ポケモンは単なるキャラクタービジネスではないのですが、ファンになってくれた子どもが大人になり、そのお子さんが親御さんの影響を受けて同じポケモンを好きになる。この循環が繰り返されるんですね。

ポケモンも25周年を迎えて、会社としての知名度やブランド力は上がってきました。その中で、これまで応援してくださった方々への感謝も込めて、社会に貢献していきたいと考えています。「子どもたちのために」「社会のために」という思いが同じJFAさんとともに、パートナーとして歩んでいきたいです。

ーポケモンさんとの協業を通じ、子どもたちが新しいことを始めた事例はこれまでにもあるのでしょうか?

山際: ポケモンをきっかけにして、子どもたちが何かを始めた事例はこれまでにいくつもありました。体を動かすことやサッカーを始めることに対しても、必ずお役に立てると考えています。

ーJFAとしては、ポケモンさんからお話を伺ってみていかがでしたか?

髙井: ポケモンさんとのご縁をいただき、とても嬉しく思っています。

JFAとしてサッカーの裾野を広げる活動を行なう中で、まずは外に出て体を動かすこと、ボールを使って友達と遊ぶことを楽しいと思ってもらえる機会をつくることが大切だと考えています。そのため、子どもたちに向けた活動の中で、ポケモンさんのお力を借りることによって、その機会の体験価値をより楽しいものにできるのではないかと期待しています。

また、ポケモンは日本だけでなく、世界でも人気があり、子どもが大人になっても好きで居続けられる存在なので、そういった点でも、ポケモンさんと一緒にサッカーとの繫がりを長期的に感じてもらえることを目指して活動をしていきたいと思っています。


ポケモンとJFAの取り組みの中心となるストライカーポケモン「エースバーン」

第一はポケモンを末永く存在させること

ーJFAとの協業においては、どういったKPIを想定しておられますか?

山際:実は、最初からビジネス目線での直接的な利益は求めていません。それよりも、「エースバーンらしい取り組みをしよう」ということですね。その方が、私たちの最大のミッションである「ポケモンを末永く存在させること」につながると考えたからです。

所謂ビジネスはもちろん大切ですが、JFAさんのサッカーに対するお考えと同じように、われわれも子どもたちにポケモンを好きになってもらい、なおかつずっと好きでいてもらうことも同じように大切だと考えています。

そのためには、一匹一匹のポケモンの魅力を知ってもらう必要があると思っています。JFAさんと協力することで、『ストライカーポケモン』という特徴を活かしながら、エースバーンの魅力を伝えることができるのではないかと考えました。

エースバーンは、認知度も人気も高いポケモンです。現在放送中のテレビアニメの主人公が連れていることに加え、ゲームでも最初に選ぶポケモンから進化します。

ですが、JYDの取り組みを通して初めてエースバーンを知る子どもたちももちろんいます。サッカーをきっかけにエースバーンを知ってくれた子どもたちが、サッカーを続けていく過程でエースバーンのことを覚えていてくれたら嬉しいですし、好きになってくれたとしたら、それが何よりの成果と言えるかもしれません。

JFAさんとのパートナーシップも同様に長期的な期待を込めて取り組んでいます。

ー方向性を一致させ、長期的な目線で取り組んでおられるのですね。

髙井:そうですね。ポケモンさんとは、エースバーンにJFAキッズアンバサダーとして子どもたちのサッカーを通した体験価値の向上のための取り組みに参画いただくことや、キャラクターのプロパティを使用させていただくことを主な内容としたJYDサポーターというJYDパートナーシッププランで契約を締結させていただいております。

山際:取り組みを通じて、JFAさんの社会活動の役に立つことができ、子どもたちの健やかな成長にも貢献できます。ポケモンだけが得をすることを善しとしない、弊社らしい取り組みだと思います。


株式会社ポケモンのイベントディレクター 山際潤一氏

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