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宮澤葵(アスレティックトレーナー)が全うする、次世代のためにできること。
本日は、駿河台大学にて陸上のコンディショニングコーチを行っている宮澤葵さんをお迎えしました。
選手として箱根駅伝の予選会に出場
——よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。わざわざこんな遠くまですみません!!
——今は東横線から飯能まで繋がってたりするので、意外と便利ですよ(埼玉県飯能市にて取材)では色々と聞かせてください。今は陸上のコーチとして活躍されていらっしゃいますが、宮澤さん自身の得意種目は何だったのでしょうか。
陸上の長距離走ですね。5,000mや10,000mを中心に走っていました。
——もう聞いただけでつらそうな距離ですね。私は長距離走が苦手だったので、尊敬します。
いやいや、長距離は楽しいですよ?今マラソンする方が増えているのもそういう理由があるのかもしれません。
——確かに、自分が走りたいなぁって気分の時や景色がもの凄く綺麗な道を走るのは楽しいかもしれませんが、練習が本当にきつくないですか。
いや、そもそも陸上を始めたきっかけは、練習が楽そうだったからなんですよ。
——またまた。陸上部ってずーっと走ってるイメージですよ。
当時の中学校の朝練が基本動作と呼ばれるものでした。要は歩いたり、スキップしたりで。見ていて、なんて楽しそうなんだろう!と思ったんですよね。これなら出来そうだしと思い、始めたんですよ。
——そんな練習があるんですね!ひたすら走るイメージがある人もいると思います。練習に楽しいイメージがあるのは良いですね。
走るのも本当に気持ちいいですよ。それこそ景色を変えたり、行った事の無いところを走ってみると楽しいと思えるかもしれません。少なくとも、自分はつらいと思うことはほとんど無かったですね!
——話を聞いているとなんか楽しそうですね。
そうですよ!さらに長距離の面白いところは、努力がそのままタイムに現れるんですよ。努力が報われやすい。目標を決めて、努力して達成した時の喜びは、どんなスポーツでも最高だと思える瞬間です。
——どのスポーツにも言えることですが、努力=実績になるのはかなりモチベーションが上がりますね。
個人競技の良いところだと私は感じます。長距離は結構努力が身を結びますよ。
——大学生時代も選手として活躍されていたんですよね。
選手兼トレーナーという感じでした。大学で選手だけでなく4年間トレーナーの勉強をしました。スポーツトレーナー学科というところに所属していましたよ。箱根駅伝の予選会にも出ました!そこから、アスレティックトレーナーの資格を取った。という感じです。
——予選会とは言え、凄いですね!憧れの1つですからね大学生の。
本当に嬉しかったですね。憧れの舞台ですから。
自身の怪我を理由に、トレーナーの道を志す
——アスレティックトレーナーは合格率がとても低いと聞いたのですが、どうなのですか。
私が受けた時は、大体合格率が10〜20%だったと思います。でも、まだまだ知名度も認知度も低い。アメリカでは1つの職業としてアスレティックトレーナーが確立しています。私は身体を見ることができる人間が中学や高校、大学にいるべきものだと思うのです。でも日本は、何故かそういう認識が低い。
学校の先生が、専門知識を持たないスポーツの顧問を任されたり、大学でさえ競技に特化したコーチはいても、身体をケアしたりパフォーマンスを上げるための知識をもったコーチがいないところが多い。これは本当に問題だと思うんです。
——それは、私が解決したい問題と同じです。中・高の一番大事な時期に身体を壊さないためにも、必要ですよね。しっかり各個人に適した体のメンテナンスが出来る人間が。今の日本は、怪我をさせないために運動をさせないことはしても、正しい運動の仕方を教える。ということはしない。どんどん運動能力も下がる。逆に、転んで手がつけなかったりと痛みを知らない分大きな怪我をする可能性が高い気がするんですけどね
そうですね。なんで、もっともっと一般の人にもアスレティックトレーナーという、体をしっかり見ることができる資格を持っている人を認知して欲しいと思っています。
——ちなみに、宮澤さんは、何故トレーナーになりたいと思ったのですか?
自分自身が怪我をしてしまったことが、一番大きな理由です。成長痛だったんですよ。高校時代の1年間、痛すぎて走れませんでした。田舎なので、マッサージという処置しかなかったんですよね。なので、マッサージした後は「休んでいれば良い」と言われてしまって。けれど休んでいれば良いというのは、アドバイスでは無いんですよ。
そりゃ休んでいれば治る怪我ですけど、そもそも競技を再開するためにはどうしたら良いのか。またそれ以前に、どうしたら予防が出来たのか。そして、復帰した後どうすれば順調に競技生活に戻ることができるのか。そういう「アドバイス」が欲しかった。だから、僕がそれをするんです。次の世代が同じように困ることのないように。
——そういう話を聞いていると、宮澤さんみたいな方と出会って、親身に自分の身体のことや競技のことを相談出来る選手の方は幸せですね。
そう言われたり、思って頂けるのは幸せです。
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