
世界一過酷と言われるスーパーラグビーの真相。そして「サンウルブズ」とは?
日本の“ホーム”がシンガポール!?
日本代表強化のため、日本国内でのラグビー人気向上のためにも日本チームがスーパーラグビーに参入することは実現させなければいけませんでした。しかし、日本チームが参入することで、遠く離れた直行便もない南アのチームは、丸一日かけての日本遠征を行わなければならなくなるため、日本チームの参入には難色を示していました。
そこで、南アの地理的負担を軽減させるため、日本ホーム試合の何試合かを中間地点のシンガポールで行うことで、サンウルブズのスーパーラグビーの参入が決定したのです。シンガポールはもともとスーパーラグビー参入に名乗りを上げており、新規参入最後の1枠を日本と競い合った経緯があります。サンウルブズがシンガポールで試合を行うことはアジアでのラグビー普及の点でも重要な役割を担っています。
サンウルブズの2017シーズンの試合日程を紹介すると
第1節 2月25日サンウルブズ-ハリケーンズ(東京・秩父宮)
第2節 3月4日サンウルブズ-キングズ(シンガポール)
第3節 3月12日チーターズ-サンウルブズ(南ア・ブルームフォンテイン)
第4節 3月18日ブルズ-サンウルブズ(南ア・プレトリア)
第5節 3月25日サンウルブズ-ストーマーズ(シンガポール)
第6節 休み
第7節 4月8日サンウルブズ-ブルズ(東京・秩父宮)
第8節 4月14日クルセイダーズ-サンウルブズ(NZ・クライストチャーチ)
第9節 4月21日ハイランダーズ-サンウルブズ(NZ・インバーカーギル)
第10節 4月29日チーフス-サンウルブズ(NZ・ハミルトン)
第11節 5月7日ジャガーズ-サンウルブズ(アルゼンチン・ブエノスアイレス)
第12節 休み
第13節 5月20日 サンウルブズ-シャークス(シンガポール)
第14節 5月27日 サンウルブズ-チーターズ(東京・秩父宮)
第15節 7月2日 ライオンズ-サンウルブズ(南ア・ヨハネスブルグ)
第16節 7月9日 ストーマーズ-サンウルブズ(南ア・ケープタウン)
第17節 7月15日 サンウルブズ-ブルーズ(東京・秩父宮)
東京の秩父宮で戦うのは全15試合中、昨季より1試合少ない4試合のみ。シンガポールで3試合、南アフリカで4試合、NZで3試合、アルゼンチンで1試合と、唯一の北半球チームであるサンウルブズには10万キロ超えともいわれる過酷な移動距離が課せられています。移動距離だけでも過酷ですが、シンガポールは赤道に近く、年間を通して高温多湿。南アのブルームフォンテインは標高1400メートル、ヨハネスブルグは1753メートルと高地での戦い。宿泊先の環境や食事面でも苦労するなど、ピッチ外での課題も少なくありません。
第14節と第15節の間は1か月ほど空きますが、6月はテストマッチが行われます。日本代表も次の3試合を行うことが発表されています。
6月10日 日本-ルーマニア(熊本)
6月17日 日本-アイルランド(静岡エコパ)
6月24日 日本-アイルランド(東京・味の素)
ジョセフ日本代表HCは日本代表選手の選考について、サンウルブズのメンバーを優先して選ぶとの方針を示しており、6月の代表戦にもサンウルブズの選手が多数出場することになります。
日本国内のトップリーグ、スーパーラグビー、日本代表とトップ選手たちは年間を通じて休みなく、試合に出場することになりました。2019年W杯日本大会までに選手がパンクしてしまわないよう、出場試合数をしっかり調整することも重要な課題となります。
そんな過酷なリーグですが、秩父宮でもシンガポールでも、試合中にオオカミの遠吠えを真似ての応援スタイルもすっかり定着し、オオカミの耳や被り物をするファンの姿も増えました。今までの国内リーグ戦とは異なるスタジアム内の雰囲気はラグビー初心者にもオススメです。
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