選手と識者が語る。W杯で終わらせないためのラグビーマーケティングとは[PR]
2019年11月2日、ラグビーワールドカップ決勝戦が開始される4時間前に、ラグビーの在りたい未来像について検討するトークセッション「ノーサイドダイアログ」が実施された。
『ノーサイドダイアログ』は、ラグビーを通じた街づくりプロジェクトである『丸の内15丁目プロジェクト』の一環として株式会社Future Sessionsが主催しているイベント。11月2日の土曜日には「ラグビー×スポーツビジネス」をテーマに掲げ、NTTコミュニケーションズ シャイニングアークスで活躍する栗原大介選手協力のもと、現役ラグビー選手7名とスポーツビジネス領域で働くビジネスマン7名が語り合った。
現役選手にできることを考える「トップリーグリーダー会議」
参加者は、栗原選手や稲橋良太選手(クボタ スピアーズ)ら現役のラグビー選手7名と、スタジアムのある街づくりをしている建築家や、スポーツチームの価値計算をしている公認会計士、スポーツベンチャーを立ち上げた大学生など7名のスポーツビジネス従事者。
この日のノーサイドダイアログの目的は、現役選手の想いや活動と、スポーツビジネスに携わるビジネスマンの知見とを掛け合わせてラグビーの価値を最大化する方法を探ること。はじめに、栗原選手より「ラグビーの持つユニークな価値」についてプレゼンが行われた。
「まずは僕らのやっている活動を知ってもらえたら」とトップリーグリーダー会議の紹介を始める。『トップリーグリーダー会議』とは、トップリーグ所属の各チーム代表が集まる選手会。協会と選手の橋渡し役や、選手にできるファンサービス・社会貢献を検討する役割を担っている。2010年にその前身であるキャプテン会議が発足し、その後2017年にキャプテンにはオンフィールドでの役割を全うしてもらおうと、現在の形に組織変更された。その「トップリーグリーダー会議」において栗原選手は幹事長を務めている。
近いファンサービスはラグビー特有のもの
トップリーグリーダー会議の活動は主に3つ。1つは、被災地でラグビークリニックなどを行う「チャリティ」。もう1つは、子どもたちを笑顔にしたいとの想いからスタートした小児科や特別支援学校への訪問などを実施する「For Children」。そして最後の1つが、試合後に会場に来てくれたファンとハイタッチをする「ファンサービス」だ。
特に3つ目のファンサービスはサッカーや野球では考えられないほど距離感の近い、ラグビー特有のものであるるため「W杯で盛り上がったラグビー熱をトップリーグまで持続させるヒントになるのでは」と栗原選手は語る。
一方、他の競技と比較しての課題として「エンタメ性の不足」を挙げた。試合会場で両チームを平等に扱う原則があるため、トライを決めたときに花火を挙げるなどは相手チームの挑発に繋がる行為として禁止されている。それでも一部のチームは、ホーム戦での実況を自チームに有利な内容にしたり、会場入りのときにファンが花道をつくれるようにしたりと、“グレーゾーン”ではあるものの、盛り上げ施策を実施しているという。栗原選手は「それが本来あるべき姿なのだろうが、できなくてもどかしい。プロ化すれば、各チームが自由にいろいろできるようになるだろう」と話し、プレゼンを締めくくった。
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