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現役ラガーマン・栗原大介が語る「ラグビー界の未来に必要なこと」[PR]

ラグビーには外からの刺激がもっと必要

今回、ラグビーの在りたい未来像について参加者同士の対話を通じて検討するトークセッション「ノーサイドダイアログ」に参加しスポーツビジネスに携わる方々と話す中で、ラグビーの未来を考えるにはビジョンを定めたり、スポンサーについてくれる企業にとっての魅力を考えたりと今よりも広い視野を持たねばならないと感じました。

ここで得られた考えや意見が、僕自身が今まで考えていたこととは全く違っていたので「そんな発想もあるのか!」というのが率直な感想です。今のラグビー界は運営サイドにもラグビー出身者が多くて、僕も含め考え方や発想が似ているんですよね。Bリーグのとあるチームでは運営メンバーを積極的に外部から招いたと聞きました。ラグビー界も外からの刺激をもっと受けるべきだと感じましたね。

*丸の内KOMINKANで、スポーツビジネスパーソンとラグビー選手が語り合った
(イベントレポートはこちら

特に今話題にのぼっているプロ化構想にあたっては、外部の方の力添えが間違いなく必要だと思います。現在、トップリーグに所属する各チームは、会社の福利厚生のひとつという位置づけ。ですから、スポーツビジネスのノウハウを持っていないんです。もしプロ化して会社からチームを独立させることになったら、チーム単体で収益力を高める施策を打ちつつ、親会社からうまく資金援助を受けられるようにマネジメントできる人材を、外部から全チーム分引っ張ってくる必要があります。

プロ化する上での課題は、スポーツビジネスに関するノウハウ不足だけではありません。例えば、選手にとってラグビー選手と会社員の2足の草鞋を履けることは、セカンドキャリア問題への懸念払拭につながっているため「プロ化するなら引退して会社員になる」という選手も出てくるでしょう。

また、プロ化するとチームにおける外国人選手の人数制限も緩和されます。そのため海外からスター選手がたくさん来た場合の日本人選手の扱いにも気をつける必要があるんです。海外選手が試合にバンバン出るようになると、日本人選手の出場機会が減りますよね。そうすると選手は育たないし、そもそも選手になろうと思う日本人が減るかもしれない。ラグビーにおける国力が低下して、W杯の結果がボロボロになってしまう可能性があるんです。実は、フランス代表が前回のラグビーW杯で悲惨な結果になってしまった背景が、まさにこれで。

その二の舞にならないように、選手会でアンケートを実施して、選手たちの「こうしてほしい」「こうなるのは嫌」という声を協会に提出しています。協会の目指す方向と、選手の目指す方向がうまく融和するポイントを見つけたいですね。

トップリーグは、W杯より近い

今回の「ノーサイドダイアログ」では、お金の動きやビジョンなど大きいところまでスポーツビジネスとして成長するには考えることが重要だと気づかされました。ただその一方で、いち選手にできることには限りがあると感じたのも事実です。僕らは僕らでできることを、直近のトップリーグで皆さんにお見せしたい。

選手がトップリーグを盛り上げるためにやっていることに「ファンサービス」があります。試合後に選手全員がバックスタンド側からぐるっと周ってファンの方とハイタッチをするんです。さっきまで目の前で熱戦を繰り広げていた選手が、にこにこ笑っている姿を見られて、しかも触れられると。「この近さはラグビー特有のものだ」とJリーグの方に言っていただいたので、もうやめられませんね(笑)。

もちろん、人気の偏りが出てしまうだろうとか、選手の負担が増えるのではという懸念もあります。現在はレギュレーションを検討中ですが、選手の「ファンの方に喜んでもらいたい」との想いから始まった取り組みですし、選手も好きでやっていることではあるので、距離感は変えず近いままでいきたいと思っています。

トップリーグはW杯よりもずっと近い距離でラグビーを見ることのできる場です。秩父宮なんて、本当に近いんです。かっこいい姿、血肉おどる祭典をぜひ間近で見てもらいたい。楽しんでもらえるよう、選手一同準備してお待ちしています!

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