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スポーツビジネス最前線を走り続けてきた半田裕が語る、業界で生き抜くための5つの要素【後編】

◆日本のスポーツ界は転換期に突入。そこで大切なのは“人”。

2011年にスポーツ基本法が変わり、スポーツ庁はいずれスポーツ省になって文科省から離れ、国におけるスポーツの仕組みは大きく変わると思っています。スポーツ=体育ではなくなります。

それに伴い、ビジネスとしてのスポーツも脚光を浴びることになるでしょう。その中でスポーツ界のいい部分をきちんとまとめ、新しい日本のスポーツ界を創造する人を僕は育てたいんです。

もう一つはラグビーW杯、東京五輪に向けて、最終的に60社以上の企業がスポーツに投資・支援をすることになります。成功すれば、スポーツに対して投資をしたことが、自社にとってメリットがあると感じてくれる企業が一気に増え、2020年以降もまた何かスポーツでやりたいと思ってもらえるようになります。

それと同時に企業からのお金を受け、スポーツによる価値提供・交換できる人がスポーツ業界内に増えていかないとビジネス側と対話ができなくなってしまいます。だからそういう人を育てておかないといけないんです。

ただ、日本国内のマーケットは横ばいか微増でしかありません。世界で物を売って成長したい日本の会社は日本国内ではなく、外国の案件に投資がしたいわけです。そして、今回の五輪でスポーツの価値を感じて、投資をしたいとなれば、スポーツマーケティングの窓口となってくれるようなグローバルな人材が求められることになります。だから語学が必要になるんです。

東京五輪に向け、日本には世界中から人が来て、歓喜の渦に巻き込まれることは間違いないでしょう。しかし問題はそこから先の話。スポンサーになった企業の中にスポーツの価値について考え、活かすためのスポーツマーケティング部なんかができてもいいと思っています。

お金とモノをどう科学反応させるのかを考え、最終的に実行するのはやっぱり人です。でも、人を呼ぶためにはお金も必要なので、スポーツ界を集金力のある場所にもしないといけません。

いまだにお金じゃなくて気持ちだと言っている人がいますが、そうではなくて、それなりの金額をもらえるような業界にみんなでしていきましょうよ、という話ですね。

そのためにはスポーツというところだけではなく、他の分野にも目を向けてほしいです。本業にこだわりすぎるのではなく、どうしたら他の分野を関わらせてお金にしていけるのか、考えてチャレンジしていけるように皆さんにはなってほしいです。

▼半田 裕(はんだ ひろし・Office Strategic Service株式会社代表取締役)

1956年1月30日生まれ、大阪府出身。甲南大学法学部卒。 大学卒業後、ネスレ日本に入社。自身は中学生からハンドボール出身だが、社会人アメリカンフットボールチームでプレーし、28歳からは同時に日本社会人アメリカンフットボール協会常任理事を13年間務めた。1997年から2002年日韓サッカーW杯に向けて設立されたアディダス・ジャパンに創設メンバーとして参画し、日本代表との契約などに携わる。 日韓W杯後はナイキ・ジャパンにて主要競技のスポーツマーケティングの陣頭指揮をとる。2006年からはジャパン・スポーツ・マーケティング株式会社取締役を務めた。2009年にOffice Strategic Service株式会社を設立し、現在は複数のスポーツ関連企業の事業およびマーケティングのコンサルティングを行う傍ら、バンタンスポーツアカデミーにおいて次世代のスポーツビジネスを担う若者に教鞭を振るっている。

※前編はコチラ!

▼協力:AZrena(アズリーナ)

※詳しい記事はAZrenaの公式サイトでご覧ください。

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