デジタルで新規ファン開拓を。川崎ブレイブサンダースのTikTok活用術
苦しい時の発信が、クラブのストーリーになる
ーYouTubeは今後、どのように運用していきたいと考えていますか?
純粋に、面白い動画を出し続けることだと思います。そのためには、選手のやらされている感をいかに出さないようにするか。
撮影は、選手と仲の良いカメラマンにお願いしています。選手の素を引き出してくれますし、選手同士も仲が良いので、撮影を楽しんでいて。だからこそ、良いコンテンツが作れるんです。
ーバスケットボール界を盛り上げるという意味では、ブレイブサンダースだけでなく、各クラブがデジタルを強化していく必要もあると思います。
スポーツクラブには、2つの強化が求められています。1つはチームの強化で、もう1つは事業の強化。仮にチームが弱かったとしても、事業を回していかないと、投資対象が狭くなってしまいます。
私は先日、中村憲剛さん(元川崎フロンターレ)の引退セレモニーに出席しました。中村さんは大学卒業後にフロンターレへ入団して、当時J2だったクラブをJ1に押し上げました。その後は優勝争いに絡んでいたものの、“シルバーコレクター”と言われた時代もあって。
その苦境を乗り越えて、キャリアの終盤に優勝を経験。セレモニーを通じて改めて追体験ができて、本当に感動しました。
こういったストーリーは、苦しい時に発信を続けることによって、厚みが出るものだと思います。だから、上手くいっていない時こそ、発信する必要がある。現状のチームの強弱に関わらず、どのクラブもデジタルは強化するべきだと思います。
ーデジタル領域の強化を通して、今後はどのようなことを成し遂げていきたいですか?
将来的には、新しいアリーナの建設も視野に入れています。現在の本拠地・とどろきアリーナは、コロナ禍による制限がなかったとしても、収容人数が約5,000人。仮に1万人規模のアリーナを新設したら、あと5,000人のギャップを埋めなければいけません。ファンを増やすきっかけとして、TikTokは今後もフル活用していきたいです。
SNSを武器にスポンサーを獲得することも考えています。アリーナの広告看板や来場者数には限りがあるので、デジタルを通してスポンサー企業をPRするという形です。その他にも、リアルの試合とデジタルの連動など、様々な形で先駆者になれたら嬉しいですね。
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