【2025年最新版】ゴルフ会員権の動向を徹底解説

今回は、最近のゴルフ会員権の動向や値上がりを続けている理由について解説します。

会員権価格はバブル崩壊で大きく下落

ゴルフ会員権の最盛期は、1990年代のバブル期です。日本で一番高い会員権と言われている小金井カントリー倶楽部だと、5億円の値段がついていました。

しかし、バブル崩壊とともに価格は暴落。件の小金井カントリー倶楽部では2,000万円を下回り、ゴルフ場によっては100分の1の価格になってしまったのです。

以降は「失われた30年」の言葉通り、約30年間、ゴルフ会員権の価格は下がり続けていました。

その潮目が変わったのが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大です。コロナの流行が少し収まり始めた2021年頃から、会員権の価格が少しずつ上昇していったのです。

この価格上昇には、大きく2つの理由があると言われています。

コロナで会員権価格が上昇し始めた理由

コロナで会員権価格が上昇した背景には、大きく2つの理由があります。

理由①:ゴルフは「3密」を回避できるスポーツだったから

1つ目は、ゴルフは「3密」を回避できるスポーツだったからです。

コロナ禍で避けるべきとされていた3密(密閉・密集・密接)は、屋外かつ、競技者同士の接触がないゴルフにはほぼ無縁だったため、娯楽が限られたコロナ禍においてゴルフの注目度が一気に上昇しました。

一人当たりの年間のゴルフプレー回数の増加はもちろん、これまでゴルフに親しんでいなかった30~40代の若年層からも注目を集めるようになり、若年層を中心にゴルフ人口が急増していきました。

その影響でゴルフ場への来場者数が増加し、ゴルフ場の収益も増加。そして、結果的にゴルフ会員権の需要も上がり、ゴルフ会員権の価格も上昇したというわけです。

理由②:経済的な理由

2つ目の理由は、経済的な理由です。

2021年ごろから大幅な金融緩和政策が実施された関係で、株価が好調な企業が増えていきました。特に円安の影響もあって輸出業はかなりのプラスになりました。

その影響によって、この頃から法人の、いわゆる「お金余り」が目立つようになっていきました。

高額なゴルフ会員権は、株や不動産と同じく資産としての側面も持ち合わせています。加えて、株や不動産と違って、ゴルフ会員権は所有しているだけでそのゴルフ場でプレーできる権利も得られるため、徐々にキャッシュが流れてくるようになったのです。

また、お金余りは個人の富裕層にも言えます。コロナ禍ではパンデミックによって海外へ行ったり、買い物ができなかったりしていたため、余ったお金の一部がゴルフ会員権に向いたということが考えられます。

地方のゴルフ場は2024年の下半期から下落傾向に

コロナ禍で一気に上昇した会員権価格は、2025年現在も上昇を続けています。金額はゴルフ場によって異なりますが、人気のある関東圏のゴルフ場だと年間で5~10%ずつ上昇しているイメージです。

しかしながら、関東圏以外のゴルフ場に関しては、2024年の下半期を境に会員権価格は徐々に上昇が停滞していき、なかには下落し始めるゴルフ場も出てきています。

地方のゴルフ場の下落に関しては、あくまでも私見ですが、少子高齢化の加速が主な原因だと思われます。

現在会員権を持っていらっしゃる方は、60~80代の「団塊世代」の方が非常に多いのですが、その年代になってくると身体が思うように動かなくなり、ゴルフをプレーできなくなる方も珍しくありません。

そうなると、ゴルフ会員権を持っていても仕方がないため会員権を売りに出すのですが、地方には若者が少ないため、なかなかその会員権の買い手が現れないのです。

結局、ゴルフ会員権の価格も需要と供給のバランスで成り立っていることが多いため、売りに出されて供給過多になった会員権の価格は必然的に下落します。

もちろん、地方のゴルフ場もコロナ特需の恩恵を受けていたのですが、2023年にマスク着用は自己判断になった影響もあり、ゴルフ会員権のコロナ特需も次第に薄れていきました。要は、コロナが消えて、地方のゴルフ場の「本当の価値」が露呈しはじめた形ですね。

一方で、関東圏のゴルフ場はコロナ特需がなくなっても、アクセスの良さなどからゴルフ場自体の価値が下がることは少なく、現在でも価格は上昇を続けています。この上昇は、今後も続いていくでしょう。

地方のなかでも沖縄は例外

しかし、沖縄だけは唯一の例外です。

なぜなら、沖縄は県そのものが「リゾート地」としての価値を有しており、「東京在住だけど沖縄に別荘を持っているから沖縄で会員権を買いたい」という層が一定数存在しているからです。

「暑さ」は多少のマイナスポイントにはなりますが、それ以上に「リゾート地でゴルフができる」という部分に大きな価値があるのです。

ただし、ゴルフは寒い地域には適さない(雪が降るとプレーできなくなる)ため、同じリゾート地でも北海道は人気がありません。

まとめ

今回は、2025年のゴルフ場会員権のトレンドについて解説しました。

関東圏の人気のゴルフ場は今後も値上がりを続けることが予想されますが、地方のゴルフ場はほどほどの価格に落ち着いていくことが予想されます。

ですので、これからゴルフ場会員権の購入を検討されている方は、地方の会員権を狙ってみるのはおすすめです。