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またも“世界一奪還”を逃したジョン・ラーム 「しばらく15、16番が忘れられない…」
<WMフェニックス・オープン 最終日◇12日◇TPCスコッツデール スタジアムC(米アリゾナ州)◇7261ヤード・パー71>
全米一のスポーツイベント、“スーパーボウル”に負けず劣らず、TPCスコッツデールでも“世界一”をかけた戦いが繰り広げられた。首位を行くスコッティ・シェフラー(米国)を2打差で追いかけたジョン・ラーム(スペイン)。勝てば世界一奪還のチャンス。出だしの1番パー4では1.5メートルにつけてバーディー発進。すぐさまシェフラーに1打差に迫った。
その後はシェフラーがどんどん伸ばす中、負けずに追いかけたが手痛かったのは8番パー4。ティショットを左バンカーに入れてボギーとすると2打差に後退。9番でシェフラーがバーディを奪うと3打差でサンデーバックナインへ突入した。
安定したプレーを続けるシェフラーは13番でイーグルを奪い、これで一気に4打差へと後退したラームが起死回生をかけたのは15番パー5。残り227ヤードからピンを狙った第2打はわずかに逸れてグリーン右の池に落ちると、「まさかあれが入るとは…」と驚いた。
「風は右から左へ吹いていた。だからボールは左に流されるはずだったのに最後に池に落ちた。本当にあのスイングは今週で一番よかった一つだったのに…」と悔しがった。
このホールはパーで終えたが続く16番パー3では、今度は右からの風に流されグリーン左に外した。アプローチを寄せきれずに結果はボギー。パーをセーブしたシェフラーとは残り2ホールで5打差つき、ラームの追い上げは実質的に終了した。
「正直に言うと、15番も16番もすごくいいスイングだった。この2日間、もっといいプレーができたはずと思うけど、今週はそんなにひどいスイングでないショットが、ひどいところに行ってしまうことが何度もあった」と不運を嘆いた。
その一方で最後まで戦い抜いたことに胸を張った。単独3位は今大会の自身の最高位。アマチュアだった2015年の5位を塗り替える好成績となった。
「いいパーセーブができていなかったら上位にいることはなかったと思う。チャンスを何度も作ったし、自分をとても誇りに思う」。再び世界ランキング1位を目指して次戦へと向かう。(文・武川玲子=米国在住)
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