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初優勝に届かなかった50センチ 桑木志帆は天を仰ぎ、涙を流した【2023年下半期の1ショット】

桑木志帆は勝負所のパットを決めきれず、天を仰いだ(撮影:佐々木啓)

2023年下半期は、ツアー界でどんな話題があったのか? ALBA Net恒例のライブフォトで閲覧された写真の上位20位を抽出し、それぞれ振り返ってみたい。今回は、「資生堂 レディスオープン」最終日の1枚。

プレーオフ2ホール目。優勝のかかるパットで50センチショートしてしまった桑木志帆。勝負所で決めきれず天を仰いだ。

藤本麻子、岩井明愛、宮田成華、そして桑木の4人がトータル7アンダーで並んでスタートした「資生堂 レディスオープン」の最終日。16番終了時点で首位に立った桑木だったが、残り2ホールで同組の櫻井に追いつかれ、勝負の行方はプレーオフへと持ち越された。

プレーオフはどちらが勝ってもおかしくない展開だった。1ホール目では、お互いにパーオンを逃がすも、きっちりと寄せてパーセーブ。2ホール目では、セカンドショットを、桑木が上りの6メートル、櫻井が下りの3メートルにつけてみせた。

しかし、桑木は「出だしの傾斜が強くて打ち切れませんでした。メンタルが弱いです」と、50センチカップに届かず。一方の櫻井は、下りのラインながらも強気のパット。これを沈めた櫻井が、レギュラーツアー悲願の初優勝を遂げたのだった。

グリーン上では優勝した櫻井を笑顔で称えたものの、プレーオフを見届けた同い年の岩井姉妹からハグされると涙が。さらにクラブハウス前でも内田ことこに出迎えられると、再び泣き崩れた。落ち着いてから取材陣の前に姿を見せ、「悔しいです。悔しいですけど、持っているものはすべて出せたと思います。相手の方がうまかった。私の実力不足です」と話す桑木の目には、またもや涙が浮かんでいた。

今季初優勝を遂げられなかった桑木だが、トップ10は堂々の10回で、うち半分はトップ3という成績。複数回優勝の菅沼菜々や青木瀬令奈らを抑えて、メルセデス・ランキング10位につけた。これだけの成績であれば、初優勝も時間の問題。来季の活躍が楽しみな一人だ。

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