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まさかのトラブルで猛省も… プロテストへ日本女子アマ女王が原英莉花らから得た財産「レベルの高い選手を見習って」

鳥居さくらは2日目「78」と崩れた(撮影:佐々木啓)

<日本女子オープン 2日目◇27日◇大利根カントリークラブ 西コース(茨城県) ◇6845ヤード・パー72>

今年6月の「日本女子アマチュア選手権」を制した17歳の鳥居さくら(兵庫・滝川第二高3年)は、その勝利で得た権利で出場した最高峰の舞台で、たくさんの経験を積むことができた。

「初めての日本女子オープンで、こんなにすごいメンバーと回れると思わなかった。すごく勉強になったし、新たな目標も見つかりました。レベルの高い選手を見習って、そこに近づきたい」

初日はイーブンパー・24位タイで終えたが、2日目はショット、パットともに「絶不調でした」と精彩を欠き「78」。トータル6オーバー・69位タイで予選落ちし悔しさは残るが、今後につながる2日間を過ごした。慣例で、日本女子アマ女王は、日本女子オープンのディフェンディングチャンピオンと同組になる。今年は原英莉花。そこに今季3勝を挙げている岩井明愛を加えた3人で36ホールをプレーする“夢の時間”を過ごした。

「(プロは)フェアウェイキープ率もいいし、リカバリー率も高いことが身に染みて分かりました。ショットだけでなく、グリーン周りもしっかりと磨かないと」。これが肌で感じた一流たちのプレーだ。ただ「平均260ヤード」という飛距離面では、見劣りすることがない。注目組で堂々とトッププロたちと渡り合った。

それでも初めての大舞台。ラウンド中には、緊張などからくるトラブルもあった。初日の7番ホールで、まだ前の組がグリーンにいるなか2打目を打ち込んでしまった。「ギャラリーと(選手が)一体化していて見えませんでした」。ここは421ヤードに設定される長いパー4で、初日の難易度1位のホール。さらにギャラリーのいないアマチュアの試合との違いも痛感した。この時は、すぐさまグリーンに向かい選手、そしてキャディ全員に謝罪。さらにラウンド後にも頭を下げて回った。

動揺し続けるアマチュア高校生だったが、プロの先輩たちからは「気にしないで大丈夫」、「ナイスオンだったね」など逆に慰めの言葉をかけられた。「本当に申し訳ないことをしてしまいました」。誰もケガをすることがなかったのが幸いだが、深く反省するできごとになってしまった。

その後のプレーにも影響する苦い思い出も教訓にするが、コースのなかでは今後への財産も多く手にした。ここからは10月29日に始まる最終プロテスト(茨城・大洗GC)合格に向け、準備を進めていく。「長いラフ、6800ヤード超の長いラウンドだったり、いい経験ができました。初日をイーブンで回れたのもよかったですし、それを生かして大洗でも安定したゴルフを徹底したいです」。来年はプロとしてこの舞台に戻れるように、精進を続けていく。

コーチを務めるのは「共通の知人がいて紹介してもらいました」という、男子ツアー通算3勝の星野英正。「これからたくさん課題を言われると思う。プロテストに向け頑張りたいです」。スコア面で悔いが残るのは、持ち前の攻撃的なゴルフができなかったこと。「守ってばかりでスコアが伸ばせなかった。フェアウェイキープ率もあげて、ショットの精度もプロとは比べものにならなかったです。グリーン周りも確実性を上げて、パー、バーディを目指せるように頑張ります」。ここから実りの秋を迎えたい。(文・間宮輝憲)

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