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「試合で普通にやります」 片山晋呉の“左手小指”をピーンと立てたアプローチの目的とは?

左手の小指がピーン(撮影:ALBA)

横浜カントリークラブで行われている「横浜ミナトChampionship 〜Fujiki Centennial〜」の練習ラウンドで、片山晋呉がアプローチを練習していた。よく見ると、左手の小指をピーンと立てて、グリップから離している。いったいどんな効果があるのだろうか?

今大会では砲台グリーンの周りの芝が短く刈り込まれており、セカンドショットでグリーンを外れたボールは低いところまで遠ざかっていく。特に奥にピンが切られているときに、グリーンオーバーすれば、ボールよりも高い位置にある下りの面に打っていく難しいアプローチが残る。そこで片山が見せたのが、アドレスから左手の小指を外して打つアプローチだった。

「昔から試合で普通にやります。あれでスピン量を調節しています。両腕(すべての指)で持っているとロフトが立って当たるけど、離すとフェースが寝る方に動くから、スピンが入りながら飛ばなくなる。1本と2本。2本離せば強めに打てて飛ばないから、1本よりもスピンが入ります」

写真では左手の小指を1本離しているように見えるが、実際には薬指と2本離している。状況に応じて小指1本だけのときも。握りに変化を加えることで、ピンサイドのアプローチで勢いを殺しつつ、スピンで止めることができるというわけだ。また、指を離すことで出球は「ほんのちょっと上がる」。

片山自身は実際にデータを取ったことはないが、「(弾道計測器の)トラックマンで指を握ったのと離したので、スピン量を測ったら面白いかもしれないね」と話す。ピンサイドのアプローチというと、派手はロブショットに目が行きがちだが、賞金王を5度獲ったベテランには、何でもないような打ち方で確実に寄せる匠の技があった。

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●プロや上級者のウェッジを見ると、斜めに打痕が付いていることが多い。関連記事の【アプローチの名手・藤田寛之に聞く フェースを斜めに使ってスピンをかけるには?】では、今年の「全米シニアオープン」で2位に入った藤田寛之が、フェースを斜めに使うスピンアプローチを紹介している。

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