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今年も“結婚ラッシュ” 豊かな人生を送る女子プロゴルファーたち【原田香里ゴルフ未来会議】

12月16日に結婚を発表した松森彩夏(撮影:上山敬太)

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。クリスマスも過ぎ、いよいよ今年もあとわずか。2023年最後のコラムは、女性としてのプロゴルファーの人生について考えてみたいと思います。

最近、SNSをにぎわせているのが松森彩夏さんの結婚です。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟する横浜FC所属の吉野恭平さんと結婚したことを報告し、結婚式に出席したプロ仲間たちも写真をアップするなどしています。2019年の国内女子ツアー「富士通レディース」で優勝経験がある29歳の松森さんと、同い年のJリーガー。現役アスリート同士のカップルが、祝福ムードに包まれる姿は微笑ましいものです。

ツアーで頑張りながら、プライベートでも結婚して新たな人生を歩きだす女子プロゴルファーは年々、増えています。今年だけでも、淺井咲希さん、東浩子さん、木戸愛さんなども結婚を公表しています。

2022年、21年には、高島早百合さん、上田桃子さん、有村智恵さん、宮里美香さん、渡邉彩香さん、永峰咲希さん、大西葵さんなどのおめでたいニュースがずらり。現役選手で結婚していることが珍しかった昔と比べると、隔世の感があります。それだけ、女性がワークライフバランスを考えるのが当たり前になったということであり、アスリートの世界にもそれが広がってきたと言っていいでしょう。

11月に行われたプロテストでは、結婚してお子さんもいる22歳の神谷和奏さんが合格して話題となりました。1988年のツアー制度導入後初めてのことだそうです(それ以前には1985年合格の山岡明美さんは、すでに娘さんがいました)。神谷さんはお子さんを含めたご家族で遠征してプロテストに臨んで合格。今年から始まったツアーの託児所がQTにも用意されていたので、それも利用したと聞いています。

まだまだ『女性が家事をする』という時代には、基本的にシーズン中は遠征続きで自宅にあまりいない女子プロゴルファーが、結婚したり出産したりするのはなかなか大変だったと思います。生活の中心もゴルフになるため、現役中に結婚、出産する選手はさほど多くありませんでした。そう考えると、隔世の感がありますが、プロゴルファーとしてだけでなく、人間として豊かな生活を送るためにも、さまざまな人生の選択肢があるといいと思います。

神谷さんの話で触れたJLPGAの託児所についてもそうですが、最近は選手たちが人生を切り拓いて行くスピードがとても速く、JLPGAがそれを追いかけて行っているようなイメージになっています。とはいえ、協会もさまざまなことに取り組んでいるので、選手たちとともに、可能性をどんどん広げて行けるといいな、と思っています。

さまざまなことがあった2023年も間もなく終わります。皆様、どうぞ健康でよいお年をお迎えください。今年も1年間ありがとうございました。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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