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“ステップ改革”で国内女子ゴルフの競争力がさらにアップ? 下部ツアーも24年からリランキング制を導入…その内容は

今年の資生堂レディス(写真)など4勝を挙げた櫻井心那も昨年はステップを主戦場に戦った選手だ(撮影:佐々木啓)

19日に行われた日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2024年トーナメント日程発表会見では、下部のステップ・アップ・ツアーの“改革”も明かされた。その大きなポイントが、リランキング制度の導入だ。

レギュラーツアーでは18年から導入されているこの制度は、シーズン途中に選手の優先出場権を見直す、というもの。一部の試合を除き、1年間の出場権が約束されているシード選手(永久、複数年なども含む)は対象外だが、主にQT(予選会)を経て出場する選手が対象となっている。

QTではそのランクに応じて選手の出場試合数やカテゴリーが決まるが、シーズン中も試合の結果により“調子がいい選手”に多くの出場機会を与えよう―というもので、メルセデス・ポイントが基準になる。QTを上位で通過したものの開幕後調子が上がらず、リランキングによって優先出場順位が大きく下がったり、あるいはその逆の現象もこれまで何度も見られた。

それが24年シーズンからはステップ・アップ・ツアーでも導入され、条項はまだ未定だが新たな規定として加わる。実施回数は、全37試合のレギュラーでは年2回行われるが、全19試合と試合数が少ないステップは年1回。来年は第13戦の「Sky レディースABC杯」(9月24~27日)後に実施される。なおレギュラーツアーではポイントランクが基準になるが、ステップでは賞金ランクによってそれが決まるという違いもある。

ただステップを主戦場にする選手のなかには、免除される場合も。それが以下のケース。
(1)前年度及び当該年度のステップ優勝者
(2)前年度の最終プロテスト合格者
(3)前年度のメルセデス・ランキング51~55位の者
(4)前年度のステップ賞金ランキング上位2位までの者
(5)前年度のQTファイナル出場者
(6)トーナメント特別保障制度に該当する者

例えば、今年のQTファイナルには104人が参加しており、その選手はレギュラーツアーに出られなくても1年間は“職場”が確保されることになる。つまり、対象になるのはQTランク105位以下で、かつ上記の条件を満たしていない選手になる。ステップはQTランク150位くらいまでに入っていれば、ほとんどの試合に出場ができるため、実質的には“40ほどの枠”を争うイメージになりそうだ。JLPGA広報担当者は、「QTランク下位の選手にも、終盤戦の出場機会を得るチャンスを与えるため」とその意図を説明する。

協会としても3日間大会を増やすなど、ここまでに下部ツアーを充実させてきた。会見で小林浩美JLPGA会長も「今年のツアーで初優勝した9人中8人がステップ経験者で、7人がステップの優勝者。今年は台湾でも試合を行い、海外でプレーする経験を積むことができた」と、さらなる“下からの突き上げ”に期待する言葉も聞こえてきた。

試合数は今年に比べ4試合減(1試合は休止)だが、「今回の発表は契約締結に至ったもので、まだ作業中のものもある」と、含みをもたせている。昨年ステップで5勝を挙げ賞金ランク1位に輝いた櫻井心那が、今季レギュラーで4勝を挙げるブレークも果たした。競争力がアップすることで、ステップ出身の新星が今後も続々と登場するかもしれない。

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