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推しネクストヒロイン・森はなインタビュー「もうゴルフはやめようと本気で仕事を探していました」

2022年ネクストヒロインゴルフツアー第11戦「Sky Hybrid Ladies Cup」で優勝を遂げた森はな(撮影・ALBA)

2023年は全15戦が予定されているマイナビネクストヒロインゴルフツアー。このツアーは、将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として、2019年に始まった。4月6日に始まる今季開幕戦「マイナビカップ」を前に、活躍必須の推しヒロインを紹介しよう。

今回は22年第11戦「Sky Hybrid Ladies Cup」で優勝を遂げた森はなにインタビュー。

森は1998年生まれ、東京都出身。趣味でゴルフに親しんでいた祖父母の影響で、9歳からゴルフを始めた。「水泳やバスケットボールなどの習い事もやっていたんですが、ゴルフはまた違った感じで、たまにボールに当たるのが楽しかった。最初の頃は週に1回、ゴルフスクールに行っていました」と、森。

小学5~6年で試合に出始めたが、試合で予選を通過できるようになった中学3年のころからゴルフに熱中し始めた。そして日本大学高等学校(日吉校)に進学しゴルフ部に入った。「当時は予選を通過するという目先のことで、精一杯でした」と高校時代を振り返るが、高校3年のときに転機が訪れた。「日本女子アマに出場することができて、もっと強くなりたいと思ったんです。プロになることを意識し始めたのも、そのころです」。

■名門・日大ゴルフ部で気持ちが変わり行動が変わった

大学は名門・日本大学ゴルフ部で腕を磨いた。「男女そろって全国トップクラスの選手が大勢いて、すごい刺激がありました。先輩たちの練習を見て、自分のやり方も変わっていきました」というように、行動が変わり気持ちも変わってきた。「自分が何をやりたいのかをしっかり考えるようになった」のが大学時代だった。

ひたすら腰から腰の振り幅で、スイングの基礎を固めたのもこのころだった。「得意の番手はアイアン。特にショートアイアンが武器」だという。今後の課題はドライバーの飛距離。「キャリー230ヤードを10~20ヤード伸ばしたい」とトレーニングの量を週1から週3に増やしているという。

そして「好きなことはひたすらやり続けるけど、嫌いなことは避けちゃうタイプかもしれません。そこも課題ですね」と、笑う。

■自信を持って挑んだプロテストに不合格

昨年はネクストヒロインゴルフツアーで優勝を遂げ、台湾ツアーのQTで出場権を勝ち取った。だがそこに来るまで、順調だったわけではなかった。自信を持って挑んだ3回目のJLPGAのプロテストに落ちてしまった。自信があっただけに、落ち込んだのだ。「ゴルフをもうやめようかと、本気で考えました」。真剣に仕事を探して、求人募集を調べたという。

2回目までは、そこまで自信があったわけではなかった。3回目は、しっかり準備をして挑んだ。自信がついてきたころだっただけに、カベにぶつかり「もうだめかも」と感じてしまったのだと話す。

落ち込んだ森の背中をしてくれたのは家族だった。「母が、もう一度出てみたらと声をかけてくれたんです。そしてファン投票で出場チャンスをもらえるネクストヒロインで、こんなに応援してくれている人たちがいるんだ。それに応えなくちゃ、と思えたことが前を向くきっかけになりました」と、自分にもう一度プレッシャーをかけたことを振り返った。

森は98年生まれの黄金世代。同じ世代には高校を卒業してすぐにプロ入りして、ツアーで活躍している選手たちが大勢いる。だが日大ゴルフ部では“4年生にならないとプロテストを受けることができない”というルールがあるため、森は同世代の選手たちの背中を追いかけている。

だが、出遅れたという焦りはない。「今やっていることが間違っていない」という確信と挫折を知る者に宿る強い意志がインタビューに答える表情に表れていた。23年は大きな飛躍のシーズンになることだろう。(文・河合昌浩)

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