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“国内最強”に輝いたJLPGA 岩井ツインズの姉・明愛がMVP「自分だけが獲って申し訳ない…」

初出場の岩井明愛がMVPに輝いた(撮影:上山敬太)

<Hitachi 3Tours Championship 最終日(1日競技)◇10日◇大栄カントリー倶楽部(千葉県)>

JLPGA(国内女子)、JGTO(国内男子)、PGA(国内シニア)のトップ選手が集結し、国内の最強ツアーを決める戦い「Hitachi 3Tours Championship」が幕を閉じた。圧倒的な勝利を見せたのは、2季連続年間女王の山下美夢有、申ジエ(韓国)、岩井明愛、岩井千怜、小祝さくら、櫻井心那がメンバーのJLPGAチームだった。

競技方式は、各ツアーで2人一組となり、午前の1stステージがフォアボール(各自がボールを打ち、いい方のスコアを採用)、午後の2ndステージはフォアサム(ペアが交互にボールを打つ)形式でプレーし、順位に応じたポイントによって優勝が争われた。

JLPGAは1st、2ndともに岩井姉妹、ジエ&櫻井、山下&小祝のペアで、「子どもたちに勇気と夢、笑顔を届ける」というテーマで挑んだ。まず、1stステージは全ペアが1位を獲り、12ポイント(pt)を獲得した。ここでほか2チームに大差をつけると、午後の2ndステージでは15ptを奪取し、2位にほぼ“ダブルスコア”をつける合計27pt。タイを含めると、全6マッチいずれも首位をとるという圧倒的な強さで、2年ぶり7度目となる“最強ツアー”の栄冠をつかんだ。

ラウンド中のメンバーたちは常に笑顔を見せつつ、男子に負けないパワフルなプレーを繰り広げた。そのなかで今大会のMVPに輝いたのは岩井ツインズの姉・明愛だった。妹の千怜とペアを組み、1stステージはボギーなしの6バーディをマーク。2ndステージも6バーディ・1ボギーの5アンダーと好プレーを披露し、チームの勝利に大きく貢献した。明愛は「率直に、このチームで勝ててうれしかったです。(出場は)初めてだったんですけど、みなさんが盛り上げてくれたおかげで、すごく楽しめました」と喜びを表した。

姉妹の絆は強い。明愛は「チームワークはどこの組よりも一番いいと思います」と自信満々に答える。役割は「基本的に自分がショットを任せていただいて、千怜がパッティング」。今季パーオン率1位に立ったショットメーカーの明愛と、平均パット数(パーオン時)で3位に入った千怜。それぞれの強みを生かした攻め方で戦っていた。「きょうは上手く噛み合えて、勝てたと思います」と勝因を分析した。

MVPとなったことには「選んでいただいたのはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。ただ、「自分だけが獲ってしまって申し訳ない…。(千怜と)二人で獲ったと言えるぐらい、二人ともいいプレーをしていた」と、妹とともにつかんだ栄誉であることを強調した。

JLPGAのメンバーたちは試合後、多くのギャラリーへのサインや記念撮影など、ファンサービスにいそしんだ。そのなかにいたジュニアゴルファーの瞳はキラキラと輝いていた。きっと彼女たちが思っている以上に、勇気、夢、笑顔を届けられたはずだ。(文・高木彩音)

【JLPGAチーム 優勝コメント】
■岩井明愛(初出場)
「率直に、うれしいです。このメンバーで優勝できて良かったです。いつも個人戦なので、チーム戦をやれて新鮮で、いつも以上にすごく楽しかったです。男子プロの方はやっぱり迫力がすごかった。(同組で)見られて良かったと思います」

■岩井千怜(初出場)
「まずは、この6人の一員となって戦えたということをうれしく思います。たくさんの子どもたちに勇気や夢を与えることができたと思います。来年もきょうのような明るいプレーで頑張りたいなと思いました。(初出場で感じたことは)楽しくやっていると自ずと結果はついてくるなっていうふうに、ゴルフの根本ではないですけど、それをきょう改めて感じました」

■山下美夢有(出場:2回目)
「きのう、皆さんと食事をしたときにこの週は子どもたちに勇気や夢、笑顔を届けられるようにという思いで、みんなそれぞれ頑張ろうと話した。このチームで勝つことができて、すごくうれしかったです」

■申ジエ(出場:5回目)
「強いチームだとは思っていましたが、こんな結果まで出たのはちょっとびっくりしました。きょうは本当に多くのギャラリーのみなさんが来ていた。子どものために、勇気と夢をあげることのできるプレーを笑顔でしようと話していて、それができたと思うので、それが一番うれしいです」

■小祝さくら(出場:5回目)
「きょうはすごく楽しくプレーができた。このメンバーで優勝することができて、すごくうれしいです」

■櫻井心那(初出場)
「このメンバーのなかに私も参加させていただいて、本当に光栄だと思いますし、さらに優勝という結果も出て、いい1年の終わり方だったなっていう気持ちです。自分のなかでちょっと不安な部分があったんですけど、みなさん朝から温かく迎えてくださって本当に安心しました。チームの温かさを感じました」

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