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“いろいろ”あったラスベガス 素敵な勝者と敗者【舩越園子コラム】

J.T.ポストンが逃げ切り優勝(撮影:GettyImages)

PGAツアーのフェデックスカップ・フォール第4戦「シュライナーズ・チルドレンズ・オープン」は初日から強風や寒波に襲われ、中断や日没サスペンデッドを繰り返す不規則進行になった。

荒れる天候と同様、来季のシード権を獲得するため、フェデックスカップ・ランキング125位以内に食い込むことを目指す選手たちの心理状態も荒れていたのかもしれない。

ランク124位というギリギリの位置で今大会を迎えたジョエル・ダーメンは、初日の4番ホールでキャディバッグの中にクラブが15本入っていることに気が付き、真っ青になった。「ふと見たら、4番アイアンが2本入ったままになっていた。こんなこと、今まで一度もなかった。なぜ気が付かなかったのか…」

この日を「72」で回ったダーメンは4罰打が加えられ、提出したスコアは「76」。2日目にばん回するチャンスは残されていたが、「ショックが大きすぎてもう集中できない」と語り、初日終了後に棄権。大会を終えて、彼のランキングは129位へ下がってしまった。

プレッシャーがかかる状況下では、何が起こるか、何をしてしまうか、本当にわからないのがゴルフであり、その現象は今大会の優勝争いでも、はっきりと見て取れた。

2日目に首位タイへ浮上した31歳の米国人、J.T.ポストンは、第3ラウンドを終えて3打をつけて単独首位となり、最終ラウンドも首位を独走していた。2019年「ウインダム選手権」と22年「ジョンディア・クラシック」を制し通算2勝を誇るポストンは、今季はプレーオフ・シリーズにも進出。最終戦「ツアー選手権」出場は逃したものの、「BMW選手権」を終えて、フェデックスカップ・ランキングは41位だった。

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