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「3年前からLAでやる全米までに…」 石川遼がアップデートしたい世界基準で見た現在地

6月の全米オープン出場権を獲得(撮影:ALBA)

<全米オープン最終予選 最終ラウンド◇22日◇茨城ゴルフ倶楽部 西コース(茨城県)◇7090ヤード・パー72>
 
ロサンゼルス・カントリークラブ(LACC)で6月15日に開幕する「全米オープン」。石川遼は日本最終予選で3枠に滑り込み、2年ぶり7度目の出場を決めた。2023年にLACCで全米オープンが開催されると決まったときから、石川は「憧れていました」という。

「このままでは世界では通用しない」。3年前から再現性を高めるスイング改造に取り組み、トップの位置を低くし、切り返しで反動をつけずに下ろすなど、形からタイミングまで一新。20、21年は結果がなかなか出せず未勝利に終わったが、ついに昨年11月、「三井住友VISA太平洋マスターズ」で3年ぶりとなるツアー18勝目を挙げた。スイングを一番に意識してきた3年が終わり、今年はボールを思い通りに操るフェーズに移っている。

石川が前回出たのはトリーパインズ・ゴルフコースで行われた21年大会。同様に日本で行われた最終予選を突破してのものだった。スイング改造の真っ只中でで本戦では予選落ち。しかし「客観的にこのくらいのレベルなんだなとインプットして2年間やってきた」と、世界基準の飛距離や精度、そして自分に足りない部分を確認する絶好の機会となった。

今回の舞台となるLACCは知る人ぞ知るビバリーヒルズの超プライベートコース。普段は一般人どころかPGAツアーの選手であっても回ることはできない。石川は「3年前にLAカントリーでやる全米オープンまでに、いいゴルフができる状態になりたいという思いで3年間やってきた」と語る。

LACCに憧れていた理由については「何だかよくわからないんですけど、LAカントリーってすごいんでしょうって。多分全米オープン以外では一生行けないんだろうなと思っていた。コネもないので(笑)。実力で獲りにいくしかないというのがありました」と明かす。一日36ホールの短期決戦で3人しかない出場枠を、何とか3位で獲得することができた。

石川遼は過去、全米オープンに6度出場していて、最高成績は19歳で出場した11年の30位タイ。「試合に挑むにあたって順位というのはあまり意識はしていない」と話す。2年前と同様に「ドライバーはこのスピードで、このキャリーで、この精度だったり、14本のクラブすべてをカテゴリーに分けて、これはこのラインまで上げたいというのができる。非常に楽しみにしています」と、世界基準で見た自分の現在地をアップデートする場となる。

全米オープン開幕までは残りおよそ3週間。「これから特別変えることはないと思います。ただ、500ヤードのパー4でラフに入ることが想定されるので、4番アイアンよりも引っかかりにくい4番ユーティリティを入れるかもしれない。それは持って行きます。日本とアメリカで芝は違えど、200ヤード以上残っているラフからのショットは練習していきたい」と対策を考えている。

2年前は全米オープンの深いラフからでも飛距離を出すことを目的に7番ウッドを入れていたが、現在のバッグには入っていない。今年のクラブセッティングを見ると、フェアウェイウッドは3W1本、ユーティリティは3U1本、アイアンは4番からとなっている。「7番ウッドでやっていたことを、3U、4Uでできないかと思っています。僕が使っている『APEX UW』は普通のユーティリティに比べてソールが広いので、ウッド寄りの設計になっている。アイアンで打つより引っかかりにくいし、それをテストしていきたい」。
 
トップを低くして再現性を高めるスイング改造も、9番アイアンを抜いてウェッジを5本入れ、150ヤード以内の精度を高めるクラブセッティングも、すべては世界で戦うことをイメージして取り組んできた。

「何よりも全米オープンのセッティングでできることはプロゴルファーとして素晴らしい経験。出るのがすごく難しい試合だからこそ頑張りたい。もう何段階も上にメジャーに出るのが当たり前の人たちがいっぱいいるわけで、どんどんどんどん上に、という気持ちで行きたいです」。メジャー常連の選手たちに近づいていると実感できる大会にしたい。(文・下村耕平)

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