お尻を後ろに突き出すアドレスは古い?

これまでの骨盤のポジションではスエーしてしまう

一番最初にフォーカスするのは骨盤のポジションです。

僕自身も12年ぐらい前にツアーでやってるころ、すごく意識してやってたことがあって。

多分これって皆さんも覚えがあると思うんですけど、アドレスのときにしっかり背骨をまっすぐにしてちょっとお尻を後ろに突き出すみたいな、何かお尻の穴を空に向けるみたいな姿勢。

このポジションが主流だった時代があるんですよ、日本で。

でもこのポジションを作ってしまうと、骨盤が反り腰で寝た状態になっちゃうので、テークバックしても全然腰が動かないです。回りづらくなるわけですよ。

そうすると結果的に何が起こるかっていうと、スエーした状態。腰がターンできないので、しょうがなくて、どうしてもスライドしてしまう。

こういう風になってくると、僕も2013年に椎間板ヘルニアやったんですけど、今思えばまさにその骨盤のポジションが悪かったと。

正しい骨盤のポジションは「立てる」

じゃあどういうものが正しいのかというと、実は真逆なんです。

今は逆に骨盤を立ててる状態。この状態ですね。

ちょっとだらしなく見えるかもしれないんですけど、実はこのポジションさえ作ってあげれば、何もしなくても腰っていうのはすっとこう、後ろにしっかりターンしやすくなるんですね。

このポジションさえ作ってあげると、逆に今度スエーするのは困難です。バランスが取れなくなったりするんで。

この骨盤を今までこう張ってたものを、特に女性も多いんですけど、こう張ってたものをしっかり立ててあげる。

立てるって意識が非常に難しいと思うので、皆さんいろいろと工夫していただきたいなと思うんですけど。

この状態をまず作ってあげると、テークバックで非常に腰がスムーズになります。

これは腰痛とかぎっくり腰とかたくさんあると思うんですけど、そういう悩みがあるゴルファーは、この骨盤のポジションさえ直せば、多分、この先ゴルフでぎっくり腰と腰痛が起こるみたいなことはなくなると思います。

自分なりに工夫して「骨盤を立てる」ことを突き詰めよう

やっぱみんな個体差があるわけですよ。骨格の大きさ、骨のつき方って全員微妙に違うんで。

たとえばゴルフのスイングを一生懸命研究するじゃないですか。ああだこうだって。それと同じぐらいの熱量で、骨盤の傾きどこが正解なんだろうっていうことを突き詰めてあげると、ゴルフのスイングを研究するより数倍、技術的にも身体的にもいいことが起こるので。

たとえば腹筋の上側をちょっと収縮させるとできたりとか、ちょっと前に骨盤を突き出すイメージだとできるとか、人それぞれ違うと思うんで。そういうところを突き詰めるというのが、僕の中で本来のゴルフのスイング改造というかね、すごい大事なポイントかなと思うんですよね。

骨盤を立てるっていうのは非常に難しいと思うんで。たとえば立ってアドレスしてから肛門を、お尻の穴を締める。こうすると、フッと「立った」みたいな感覚が得られるかもしれないので、やってみてください。
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矢野東(やの あずま)
1977年生まれ。10歳からゴルフを始め、日本大学在学時には素質が開花し、多くのタイトルを獲得した。 2000年にプロデビューし、2005年『アサヒ緑健よみうりメモリアル』で初優勝。ツアー通算3勝を誇る。