
<ソニー 日本女子プロ選手権 最終日◇14日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6840ヤード・パー72>
大会最終日の9月14日は23歳の誕生日。寺岡沙弥香は自らをプレーで祝福した。24位から出ると、7バーディ・4ボギーの「69」で回りトータル2アンダー・10位タイに浮上。優勝争いした「NEC軽井沢ゴルフ72」以降、3試合連続で予選落ちとしていたが、思い出のある地でトップ10入りを果たした。
これまで大洗ゴルフ倶楽部で行われた最終プロテストに、2度挑戦したことがある。22年は1打足りずに不合格となったが、昨年はトータル10アンダーでトップ合格。20ラウンドほどしている勝手知ったるコースで、「知ってるぞ、得意だぞって(自分を)だましながら」4日間を駆け抜けた。
成長を実感したのはアプローチ。「毎週いい環境で練習をさせてもらえて、プロテストのときよりラフは難しくなっているけれど、(グリーンを)外したところはパーで行けた」とかみしめた。
誕生日に大洗の神様もほほ笑んでくれた。球がラフに入ったと思えばフェアウェイに出てきたり、9番では「絶対にあかんところに乗っちゃった」6メートルの下りのバーディパットが、「めっちゃ強くて“しょうがないわ”と思ったらガシャンって入った。2打得しました」とバーディを奪取。「バースデーボーナスが多かったです」と運を味方につけた。
ティオフするときも『きょうがお誕生日の寺岡沙弥香選手』とアナウンスされ、ファンからもたくさんの祝福をもらった。「ハタチを過ぎたら一緒ですよね(笑)。世の中でなんでもできるから。でも、人生で一番『おめでとう』を言ってもらえました」と笑顔。そして、「物欲がなくて…。貯金をするのが趣味です。今週もちょっと稼げたので、(口座に預金が)増えてうれしいな~っていう気持ちがプレゼントです。ふふふ」とニンマリ。349万円の獲得賞金を喜んだ。
メジャーでのトップ10入りで、賞金だけでなく、ビッグポイントもゲット。メルセデス・ランキング50位に浮上し、目標とするシード権獲得へ大きく前進した。「夏は(予選落ちで)土日お休みが多かったので、しっかりと土日もゴルフができたらうれしい」と見据える秋。いい思い出が残る大洗で、さらなる飛躍を誓う。(文・笠井あかり)
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