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ケガから完全復活 コ・ジンヨンが大会初の連覇達成に「最も重要な勝利」

元世界1位の貫録。コ・ジンヨンが大会史上初の連覇を成し遂げた。(撮影:GettyImages)

<HSBC女子世界選手権 最終日◇5日◇セントーサGCタンジョンC(シンガポール)◇6774ヤード・パー72>

シンガポールで大会史上初の連覇を達成したことは、コ・ジンヨン(韓国)にとって新たなスタートを切ったことを意味するだろう。「わたしの人生にとって大きな勢いになる」。ネリー・コルダ(米国)との争いを制し、トータル17アンダーで1年ぶりの美酒に酔った。

初日こそ「72」とやや出遅れたが、合計4時間超えの中断を挟んだ2日目、3日目と連日「65」をマークして単独首位に浮上。最終日は前半に3つ伸ばして引き離すと、雨が降り始めるなかでもリードを保つ。3打をつけて迎えた最終18番では、あふれてくる涙をぬぐいながらグリーンにあがり、パーパットを沈めてギャラリーから大歓声。大粒の涙が頬を伝うと、それを祝うかのように空は明るくなり始めた。

ジンヨンはこれでメジャー2勝を含む米女子ツアー通算14勝目。数ある名シーンを生み出してきたが、本人はこの優勝を「最も重要な勝利」と語る。

現役選手のなかで最も長く世界ランキング1位の座についているジンヨン。1年前のこの戦いも“女王”として臨み、勝利したものだった。2021年7月から昨年の3月まで10試合中6勝、16ラウンド連続60台などのツアー記録も達成している。

だが、手首のケガで8月末を最後に戦線を離脱した。ケアとリハビリを経て10月の地元韓国戦で復帰を果たしたが、「80」、「79」というスコアで2日目終了後に棄権。思ったような成績を残せないままシーズンを終え、世界ランキングも5位まで下がった。

「タフな1年。ケガや試合内容、精神的なタフさなど、すべてにおいて良くない状態で戦っていた」という昨シーズン。そんななかでも、オフシーズンは旅行でリラックスしながら、ゴルフにも向き合った。スイングコーチや元コーチと取り組み、瞑想でイメージを高めた。「冬のトレーニングの時から自信はあった」。その言葉通り、前戦を6位タイで終えて今大会へ乗り込み、タイトル防衛を叶えた。

「このタイトルを再び防衛できたことはとても光栄なこと。この1週間は私にとっては長すぎたけど、あまりにも素晴らしいから、とても幸せ」。再び世界の頂点へ。“新章”は幕を開けた。(文・笠井あかり)

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