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金は近代五輪史上最高額 松山英樹らが獲得したメダルの“価値”は? 

左から銀メダルのフリートウッド、金メダルのシェフラー、銅メダルの松山英樹(撮影:GettyImages)

「パリ五輪」の男子ゴルフ競技は全日程が終了した。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)は金メダル、イングランドのトミー・フリートウッドが銀メダルを獲得。そして、松山英樹が日本男子では初となる銅メダルを獲得した。栄光のメダルに刻まれたパリの象徴、そしてその“価値”についてご紹介しよう。

フランスの高級ジュエリーブランド「ショーメ」がデザインした今大会のメダルには、パリの象徴・エッフェル塔の一部が中央部分に18グラムの六角形として埋め込まれている。それが「Clous de Paris」( クル・ド・パリ)と呼ばれるつめでとめられ、まわりは光が中心に集まって、輝いてみえるように幅の違う凹凸で覆われている。

六角形はフランスのニックネームとして知られる「l’Hexagone」(レグザゴン)からインスパイアされ、国土を表現。その中にはオリンピックのメダル、オリンピックの聖火をフランス革命を象徴する女神、マリアンヌを組み合わせた大会のエンブレムが刻まれている。

発案は大会組織委員会が「私たちが最も大切にしているフランスの一部を選手に持って帰ってほしい」という思いから、エッフェル塔を運営する企業に交渉。結果、20世紀に行われた改修工事で取り除かれ、パリ郊外の秘密倉庫に保管されていた柱の提供に合意した。メダルはオリンピックとパラリンピックを合わせて5084個製造され、それぞれショーメの青い箱とエッフェル塔の運営企業からの証明書が同梱されている。

オリンピックメダルには大きさや形の規定がある。まず、円形であり、チェーンやリボンでつるされていること。直径は最低60ミリ、厚さ3ミリ、1位および2位のメダルは銀製で、金メダルは少なくとも6グラムの純金で金張りでなければならない。1912年まで純金で造られていたが、第1次世界大戦後、経済的な理由からシルバーの上に純金でコーティングされるようになった。

今大会も東京五輪と大きさは変わらず、直径85ミリで厚み9.2ミリ。規定通り、金メダルはシルバーと6グラムの純金、銀メダルは純銀、銅メダルは95%の銅と5%の亜鉛で造られ、重さはそれぞれ529グラム、525グラム、455グラムとなっている。

金メダルの素材をドル換算にすると、950ドル(約14万円)になると見込まれている。米国のフォーブス紙によると、金の高騰も相まって2012年ロンドン五輪の708ドルを上回り、近代五輪では史上最高額となった。ちなみに、銀メダルが486ドル(約7万3000円)、銅メダルが13ドル(約2000円)と推定されている。

ツアーで億を稼ぎ出すトッププレーヤーの3人にとっては微々たる金額だ。しかし、まさに金には代えられない最高の栄誉を手にした。

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