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本人も「びっくりしました」 勝みなみが魅せた終盤のスーパーパーセーブ

勝みなみは後半耐えて14位に浮上(撮影:福田文平)

<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 2日目◇4日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
 
勝みなみは、シビアなパーパットを沈め続け、決勝ラウンドのチケットをつかんだ。前半は4つのバーディを奪う快調なラウンドだったが、一転、後半は耐える時間に。これは「前半はショットも寄っていて、バーディパッド、アプローチもすごくよかったけど、後半に入ってちょっとショットが荒れた」と本人も認めるところだ。

折り返し直後の1番パー4では、ティショットをフェアウェイ左のポットバンカーに入れ、2打目は出すだけに。さらに3打目でもグリーンに乗せられずに手前からのアプローチも1.5メートルを残した。ただダブルボギーもありえる状況のなか、これを沈めて「ナイスボギー」。唯一のスコアロスとなったホールだが、スッと気持ちを切り替えられた。
 
2日目は、こういうしびれるシーンを何度も乗り越え、一気にトータル3アンダーの14位タイまで浮上した。その象徴的なホールが8番パー4だ。フェアウェイからの2打目が、砲台グリーンの傾斜に当たり左手前に転がり落ち、急な斜面を越えていく難しいアプロ―チが残った。さらにピンはショートサイドという難易度マックスともいえる状況。そこで最初はウェッジを握ったが、もう一度考えたすえに選んだのはユーティリティだった。
 
「練習でもあまりうまくいってなかったし、ユーティリティはないかなとも思ってたんですけど、ウェッジで打って手前からまた落ちてくるよりは、ウッドで奥に行った方がいい。ミック(キャディ)も『それがいい』と言ってくれたし、奥なら最悪ボギーで済むので、それでいいと思って選択しました」
 
すると想定通りボールはピン奥4メートルまでオーバー。だが続くパーパットを、ジャストタッチでねじ込んだ。周囲はもちろん、本人すらも「びっくりしました」というスーパーパーセーブで拍手を浴びた。この前の7番でも1.5メートルのパーパットを沈めており、立て続けに火の粉を振り払ったことになる。最終9番は4メートルのバーディパットが、あとひと転がりで決まらなかったが、粘りに粘った一日だった。
 
もともとパッティング技術には定評があり、国内ツアーではスタッツ上位の常連。ただ米国に主戦場を移してからは、得意のグリーン上で実際の転がりと頭に描いた軌道が合わないことが続いた。平均パットこそ28.68回のツアー3位だが、「ずっとイメージが出ない」というなかでのプレー。しかし、目線を合わせる位置をカップから、その奥にずらすという変化を加えたところ、先週から状況が好転している。「先を見れば見るほどヘッドが出る。それがすごくいい」。日に日に強まっていた手ごたえが、結果としてあらわれた。
 
今季はここまで米ツアー12試合に出場しているが、トップ10入りはわずか1度。それも3月までさかのぼらないといけない。だがスコットランドひさびさの上位争いに加わっている。「アプローチのイメージもよくなってきてるので、これからがいいんじゃないかな、と信じています」。明るい未来を見据えながら臨む残り2日間で、結果を残したい。(文・間宮輝憲)

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