金谷拓実が悲願の“海外V” 苦しんだ2年間乗り越え「優勝できると信じてプレーした」
<インターナショナルシリーズ・オマーン 最終日◇12日◇アル・ムージG(オマーン)◇7045ヤード・パー72>
金谷拓実がついに海外での優勝を果たした。アジアンツアーのビッグイベント、「インターナショナルシリーズ」のオマーン決戦で、首位から最終ラウンドをスタートするとスコアを一つ伸ばしトータル10アンダー。2位に4打差をつけて圧勝を決めた。
2位に1打のリードを持ってティオフした金谷は前半だけで3バーディを奪いリードを広げると、風が強まった後半は2バーディ・3ボギーと一つ落としながらも終始危なげないプレーで悲願だった優勝をたぐり寄せた。2021年の国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」以来の勝利に、笑顔がはじけた。
「プロとして初めて海外のツアーで優勝することができて本当にうれしくて、ここ2年間優勝することができていなかったので、また、インターナショナルシリーズのすばらしいフィールドの中で優勝することができてうれしいです」
アマチュ時代の輝かしい成績はいまでも語られるものばかりだ。15年に「日本アマ」を制すると、高校時代から注目された。18年の「アジアパシフィックアマチュア選手権」では優勝を飾り、翌年の「マスターズ」にも出場。同年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でアマチュア優勝を飾った。その後プロ転向し、翌年には「ダンロップフェニックス」にも勝利。そして21年4月の優勝と、順調に進んだ。
ところがその後は成績こそ悪くないなかで、なかなか勝利に結びつかないもどかしい時間が訪れた。世界アマチュアランキング1位に55週間のあいだ君臨した金谷に期待を寄せる声も集まる中で、中島啓太、蝉川泰果といった若手が台頭。そんな中での勝利にはうれしさと安堵の表情を見せた。
最終日は、途中サドム・ケーオカンジャナ(タイ)に詰め寄られたが、「このタフなコンディションの中で自分らしいプレーを続ければ必ず優勝できると信じてプレーしました」と持ち味の粘りゴルフで逃げ切ってみせた。
海外でのプレーを熱望し欧州ツアーの予選会などにも挑戦したが失敗。それでも日本の次期エースは国内開幕前に見事な仕事をやってのけた。世界の一流選手が集まる中東の地でつかんだ栄冠。日本国外での同ツアー優勝は10年の平塚哲二以来。勢いに乗った今年の金谷は、さらに大仕事をやってのけそうだ。
Follow @ssn_supersports