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ジミー・ダン氏が明かす統合の未来図 「PGAツアーに忠誠を尽くした選手には報酬を、LIVに移籍した選手には罰則を」

今回の和解のキーマンとされるジミー・ダン氏(撮影:GettyImages)

米PGAツアー、DPワールド(欧州)ツアーと、LIVゴルフをバックアップするサウジアラビアの政府系ファンド「PIF」のパートナーシップが発表されてから、ジミー・ダン氏はめまぐるしい日々を送っている。ダン氏は昨年11月から個人契約でPGAツアーの理事に就任。「PIF」との交渉はダン氏が中心となって進めてきた。

9日は米スポーツ専門局の「ESPN」に出演。少しずつ統合によるPGAツアーの将来が明らかにされた。ダン氏によるとLIVゴルフから巨額の移籍金を提示されながらもPGAツアーに残った選手らは「報奨を受け取る」とし、1億ドル(約140億円)以上を断ったといわれるジョン・ラーム(スペイン)、パトリック・キャントレー、キャメロン・ヤング(ともに米国)、そして松山英樹の名前も挙がった。
 
報酬の具体的な内容は、米PGAツアー、欧州ツアー、PIFがこれから設立する「新会社」の「利益分配」を受けること。「新しい会社はこれから成長する。現在PGAツアーでプレーする選手はその利益を共有することになる。選手にとってはとても有益だ」とした。それでももしLIVゴルフに移籍していたら得たと思われる金額にはほど遠いのかもしれない。
 
一方、LIVゴルフでプレーした選手らは、新会社の利益分配を受けることはできないとした。新会社のCEOとなるのは現PGAツアーのコミッショナーを務めるジェイ・モナハン会長。もし来季以降にLIVゴルフが終了し、LIVゴルフの選手がPGAツアーへの復帰を望んだ場合は「何らかの『罰則』が与えられる」とした。
 
「彼らが復帰したいというのであれば、PGAツアーで戦い続けるだけの実力と意思がなければならない。そして移籍していた分のペナルティは支払わなければならない」とした。『罰則』はそれぞれ選手によって異なり、PGAツアーを提訴した11選手はより厳しいペナルティになるとした。
 
一定期間の出場停止も見込まれるが、「それでもPGAツアーに戻りたいか、それは選手自身が決断することだ」とダン氏は話した。(文・武川玲子=米国在住)

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