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桑木志帆はPOに一打及ばずも…3試合連続のトップ5入り「確実に階段を登っている」

桑木志帆が好調キープ。初優勝は間近だ。(撮影:上山敬太)

<CAT Ladies 最終日◇20日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>

初優勝にあと一歩という戦いが続く桑木志帆は「67」をマークするも、プレーオフ進出には1打及ばず。トータル12アンダーの3位に終わった。これで今季4度目のトップ3フィニッシュ。直近の3試合はいずれも5位以内と上位でのプレーを繰り返しているが、最後の壁をまだ越えられずにいる。

「前半3アンダー、後半3アンダーを目標にしていたので悔しいです」。ホールアウトした桑木は優勝を逃したことよりも、目標スコアに届かなかったことを残念がった。前半は想定通りの3バーディー・ボギーなし。後半も順調に2つ伸ばして終盤に入ったが、あとひとつのバーディーが遠かった。

17番で4メートル、18番では2メートルにつけたが、チャンスが決められなかった。「17番は入ったと思いました。18番は緊張してうまくストロークできませんでした」。15番でバーディーを奪った後、リーダーボードを見て、優勝争いをしていることを確認。ここから緊張が始まっただけに、「見なければよかった」と天を仰いだ。

パッティングの際、前傾が深くなってかがみ込む癖があるため、今大会から体を起こすようにアドレスを修正したばかり。「まだ馴染んでいないので、意識していないと以前の癖が出てしまう。パッティングが一番の不安材料でした」。緊張が不安を増幅し、最後のミスパットに繋がった。今回もあと一歩届かなかったが「確実に階段を登っていると感じています」。初優勝に最も近い選手であることは誰もが認めるところだろう。

スタートの1番パー5では、同組でプレーした荒川怜都の2打目がグリーン手前にあった桑木のボールに直撃。トレードマークの黄色いボールは大きく右ラフに弾き飛ばされた。ルール上、桑木のボールは元の位置に戻してプレーを再開するが、この元の位置を決めるのに時間を要した。それでもリズムを崩すことなく、続く3打目のアプローチを寄せてバーディー発進。「ボールがあんな風に当たることは滅多にないので、今日はツイてるなと思っていました」。ハプニングをプラスにとらえるメンタルの強さは、しっかりと持ち合わせている。

2週前にコースで倒れた父・正利さんはすでに退院し、来週の「ニトリレディス」から再び桑木をサポートする予定。「2週間、父がいなかったけど、そんなに影響はなかったですね。いつもプレー内容をメモしてくれるんですけど、それを自分でやっていたのはちょっと大変だったかな」。こんな憎まれ口をたたくのは正利さんに無理をしてほしくないからこそ。何度も跳ね返されてきた初優勝への高い壁は、父の目の前で越えてみせる。(文・田中宏治)

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