プロテスト前最終戦でV争い 22歳・藤川玲奈は3度目のPO敗戦に“悔”も「経験できたことにすごく感謝」

藤川玲奈、惜敗の悔しさをバネにプロテスト合格へ(撮影:益田佑一)

<マイナビカップ 最終日(一日競技)◇30日◇ザ・クラシックゴルフ倶楽部 キング・プリンスコース(福岡)◇6378ヤード・パー72>

もう少しでつかめそうだったツアー初優勝は、スルリとその手をすり抜けていった。

「3度目のプレーオフ…、正直、勝ちたかった。難しい。またいつか勝てるように、とっておこうと思います」

22歳の藤川玲奈は、4人によるプレーオフで4ホール目まで生き残った。ただ、最後はアプローチを寄せきれずボギー。アマチュア春山愛(朝日大2年)との一騎打ちに敗れた。その直後は、悔しさ、そしてこみ上げてくる“モノ”を、押し殺す…、そんな表情で、必死に声を振り絞った。

正規の18ホールでは9番から4連続バーディを奪うと、16番パー3でも伸ばし首位に並んだ。うねるグリーンなどが特徴で、28年の「日本女子オープン」開催が決まっている難コースでボギーなく終えた。しかし、延長戦でこの日、唯一喫したボギーが明暗を大きく分けることになった。

今年6月には日本勢として初めて欧州下部ツアーでの優勝も経験。今季はマイナビネクストヒロインツアー8試合目に出場し、これで5度目のトップ10入り。地元・福岡県で再び訪れた初優勝のチャンスだっただけに悔しさはひとしおだが、成長の一途をたどっている。

なにより来週11月4日(火)から始まる日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の最終プロテスト(岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部)を考えると、自信にもつながりそうな“22ホール”だった。

「距離もJFEと似ているし、すごく速いグリーンも経験できて、いい一日でした。プロテストに向けて、マイナビさんの試合に出て経験できたことをすごく感謝しています」
 
プロテストは5度目の挑戦だが、最終進出は今回が初。英語が決して得意ではないなか、欧州で生活をするなど精神的なタフさも増した。成長著しい22歳。地元で味わった悔しさを、岡山での糧にする。(文・間宮輝憲)