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パー4で『+10』の落とし穴 岩井千怜は“池ポチャ”5回に「悔しいし、情けない」

岩井千怜に悪夢。1ホールで『14打』を叩き、予選落ちが決まった(撮影:米山聡明)

<ゴルフ5レディス 2日目◇2日◇ゴルフ5カントリー美唄コース(北海道)◇6472ヤード・パー72>

岩井千怜に“まさか”の落とし穴が待っていた。トータル1オーバーで迎えた終盤の16番パー4。左ドッグレッグでフェアウェイからグリーンの左まで大きな池が待ち構えるホールで、『+10』となる『14打』を喫した。

ドライバーでのティショットが池につかまると、赤杭を横切ったところの近くにドロップした。ピンまで残り210ヤードで、池越えの状況。ピンの位置は手前から26ヤード、左から6ヤードの左奥に切られていた。

処置後の3打目に3番ユーティリティを選択すると、これがまたしても池へ。そしてクラブは変えずに放った5打目も池へと消えた。

「越えるところを選んで、残り距離も把握して打ったけれど、ラフのせいなのか…。全部いい感じでも、左に食われたりとかドロップしたり。越えるんじゃないかというラインでも越えなかった。“次、越せるんじゃないか”というのを続けていたら、池に入れてしまいました」

悪夢は終わらない。7打目も同じように池へ入れて、3番ウッドに持ち替えて挑んだ9打目もつかまり、なかなか赤杭が越えられない。もちろん、キャディとは刻む選択肢について話し合ったが、「刻むよりは狙って賭けたほうがいいと思った。刻もうかという話にはなったけど、“わたしはいく”って全部狙いました」。最後まで、自らの信念を突き通すことを決めた。

セカンド地点で4回の池ポチャのあと、3番ウッドでの11打目でやっと池を越えた。グリーン手前30ヤードほどのラフから奥4メートルに寄せて、そこから2パット。池ポチャが合計5回、12オン2パットの14打という内容だった。

「悔しいし、情けない」と言葉を吐き出したが、岩井は最後の最後まで前を向いた。アイランドグリーンの17番パー3、右に池が走る18番パー4ではバーディチャンスの見せ場も作り、諦めなかった。結果はともにパーで終わったが、「ここで“負けないぞ”というのをみんなに見せたかったし、バーディを獲って笑っている姿を見てもらいたかった」。

1ホールで14打はツアー歴代ワースト2位タイの記録となり、この日の「82」はプロ入り後自己ワースト。トータル11オーバーで予選落ちが確定した。「これだけ打っちゃったのは、運もあるし、ライも悪かったのかな、と考えすぎずに。来週からまた優勝争いできるように頑張りたいですね」。

今季2勝(通算4勝)を誇り、メルセデス・ランキングは4位につける若き実力者。フッと息をついて、次戦へ気持ちを切り替えた。(文・笠井あかり)

【1ホール歴代ワーストスコア】(1990年以降)
■1位:15打
・山田成美:2017年「NEC軽井沢72ゴルフ」1R
■2位:14打
・能登亜希:2001年「リゾートトラストレディス」1R
・紫垣綾花:2003年「プロミスレディス」2R
・岩井千怜:2023年「ゴルフ5レディス」2R
■4位:13打
・安井純子:1991年「JLPGA明治乳業カップ」1R
・入江由香:1995年「五洋建設レディース」1R
・服部道子:2000年「ミズノクラシック」3R
・斉藤裕子:2001年「太平洋クラブレディースレーベンカップ」2R
・天沼知恵子:2001年「ミズノクラシック」1R

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