ツアー5人目の3日連続イーグルに“史上初”のできごとも… 「笑顔」貫いた仲村果乃は涙の惜敗

ホールアウト後に涙を流す仲村果乃(撮影:佐々木啓)

<明治安田レディスゴルフトーナメント 最終日◇20日◇仙台クラシックゴルフ倶楽部(宮城県)◇ 6642ヤード・パー72>

今年5月の「パナソニックオープンレディース」に続く、2度目の最終日最終組。首位から出た仲村果乃は、最後の最後まで死力を尽くし初優勝を目指した。「ずっとリーダーボードをチェックしていた。ゴルフの調子が良くないなか、自分なりに頑張ったかなと思います」。そう言うと、こみ上げてくるものをグッとこらえた。

最終18番。バーディを奪えば、小祝さくらとのプレーオフに勝負をもつれこませることができたが、その思いは実らず。グリーンを降りると、悔し涙を止めることはできなかった。

「最初は緊張してたけど、キャディさんと話すうちにほぐれていきました」。そんなラウンドは3番でバーディ、7番でボギーと一進一退で進んでいった。そして9番でビッグプレーが生まれる。9番アイアンで打った残り125ヤードの2打目が、「いい感じだと思ったら、手前から入ってくれた」と振り返るショット・イン・イーグルになった。

この一打でツアー史上5人目(1990年以降)となる、個人での連日イーグルの最長記録に並んだ。初日は12番パー3でのホールインワン、2日目は16番パー5で奪い、最終日はパー4。同一大会でパー3、4、5すべてでイーグルを奪ったのは“史上初”のできごとだ。「きょうのイーグルも、初日もラッキーでした」。今週の勢いを象徴するようなプレーでもあった。

今回と同じく首位タイで迎えたパナソニックに続く優勝争いでは、ひとつ、決めごとがあった。「笑顔でプレーしよう。表情筋を緩ませながら」。それがボギーを打っても、へこたれずにバーディを取り返す力になったのかもしれない。

先週の「ミネベアミツミレディス」に続く2位。成長を感じさせる戦いが続く。「緊張感に慣れるには、経験も必要。これからも最終日最終組で回れるように」。初優勝の足音は、だんだんと近づいている。(文・間宮輝憲)

【個人別大会連日最多イーグル日数】(すべて1~3R、1990年以降)
●3日間
・ソフィ・グスタフソン(2002年ミズノクラシック)
・ソフィ・グスタフソン(2005年ミズノクラシック1~3R)
・肥後かおり(2006年カトキチクイーンズゴルフトーナメント)
・青木瀬令奈(2023年NOBUTA GROUP マスターズGCレディース)
・リンディ・ダンカン(2023年TOTOジャパンクラシック)
・仲村果乃(2025年明治安田レディス)