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提供したフジクラもたまげた、渋野日向子の「柔らかシャフト要望」

今週ウェッジとパター以外のシャフトをソフトなものに変更して単独2位になった渋野日向子(GettyImages)

<全米女子オープン 最終日◇2日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇ 6583ヤード・パー70>

先週のオープンウィークに試した「柔らかシャフト」を大事なメジャーの舞台「全米女子オープン」でいきなり本番投入し、単独2位という最高の結果を手にした渋野日向子。この選択は提供したフジクラの担当者にとっても「驚きだった」と振り返る。きっかけは、先月初めの一報だったそう。
 
「先月頭くらいにマネージャーさんから【シャフトを送ってほしい】と相談があり、現状の確認とこれまでの好みを考慮して、アイアンは『MCI80』のRとS、ウッドは『EVO6』『24 VENTUS BLUE』などをお送りしました。先週のオープンウィークに試した結果、【アイアンの『MCI80-R』がデータ、フィーリング共にすごく良い】と連絡があり、今週の会場に追加のシャフトをお送りしました。火曜日までウッドは他のモデルを試していましたが、火曜日に『SPEEDER NX GREEN 50-SRを試してもらい、非常にハマったようです」(同社・飯田浩治氏)
 
つまり、先週の時点でアイアンシャフトの変更は決定的だったが、今週は会場入りするまで、「ドライバーをどうするか未確定」だったのだ。渋野自身、2日目を終え「柔らかシャフト」への変更意図をこう話していた。
 
「先週まで使っていたシャフトが若干硬くて、右に出すドローが出なかった。どうしようかなと思った時に、【今まで使っていたちょっと柔らかめで返ってくるようなシャフトに戻そう】と思った。(変更してから)ドライバーが気持ちよく振れている感じがある。ラフに外したのは16番のスプーンだけなんですよ。ドライバーで打てば良かった。狭いけどさ~(笑)」(渋野)
 
このコメントはドライバーシャフトについてだが、持ち球のドローの打ちやすさ的に、少し柔らかめの方が良かったよう。プロ入りから歴代フジクラ製シャフトを使ってきたため、同社の飯田氏もこの選択は「意外だった」そう。
 
「ずっと50-Sを使用されていたので、基本的にはSを提案していたのですが、【全体的に柔らかく】となったようです。アイアンもこれまで『80-S』か『80-R』の硬め番手ずらしだったので。(変更前の)月曜日のスイング動画も見ましたが、少しクラブに振られている感じがあったので、【スイングウェイトを軽くしたのも良かった】と思います。火曜日の練習ラウンドでドライバーも非常に良くなったと聞き、少しでも調子が上向くきっかけになれば良いなと思っておりましたが、こんなに早く結果が出て、驚きと嬉しさが入り混じっております」(飯田氏)
 
渋野が2019年に「AIG 全英女子オープン」を制した際のドライバーは、スピーダー569『EVO6』の(SR)を44.75インチで使用しており、アイアンにも『MCI80』(R)のシブコ専用ブルー塗装のモノを使用していた。というわけで、いきなり確変して見えるが、ドライバーの「SR」もアイアンの「R」も、元々振りやすかったしなりに近いモノへ“原点回帰しただけ”と言えるのかもしれない。(編集部M・K)

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