「間違いなく、わたしの尊敬する人」 20歳イン・ルオニンが快挙V、フォン・シャンシャン以来のチャイニーズ・チャンピオン
<DIOインプラントLAオープン 最終日◇2日◇パロス・ベルデスGC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
手が震えながらも50センチのウイニングパットを丁寧に沈めると、イン・ルオニン(中国)は力強いガッツポーズとともに雄叫びをあげた。トータル15アンダーまで伸ばして逃げ切り、米ツアー2年目の若手が出場20戦目にしてうれしいツアー初優勝を遂げた。
古江彩佳と渋野日向子が挑戦した2021年の最終予選会「Qシリーズ」で4位タイに入りツアーカードを獲得。ルーキーとして臨んだ昨シーズンは16試合に出場して予選通過は7試合のみにとどまり、惜しくもフルシード獲得とはならず。“準シード”選手として今季を迎えていた。
今大会では2日目に「64」をマークして首位タイで決勝ラウンド進出を決めると、3日目も6バーディ・2ボギーの「67」と伸ばし単独トップへ。後続に2打差をつけて最終日を迎えた。
2番でバーディが先行したものの、3番からまさかの“3連続ボギー”で後退。一時は首位の座を明け渡した。だが、「もうこれ以上ボギーを打つわけにはいかない。このコースでは絶対にバーディを獲ることができる、だから我慢しろと自分に言い聞かせた」と踏ん張り、6番から9番は“借金返済”となる怒とうの4連続バーディを奪取。華麗なるカムバックで首位に返り咲き、後半は1バーディ・2ボギーと最後までプレッシャーに耐えた。
中国上海出身の20歳。この初々しい勝利は、フォン・シャンシャン(中国)以来となるLPGAツアー史上2日目の中国人優勝者となった。「わたしだけではなく、中国にとっても大きな意味があると思う。シャンシャンはいつもわたしの目標で、ツアー10勝を挙げた。間違いなく、わたしの尊敬する人」と涙ながらにこの快挙の価値、偉大なるレジェンドへの尊敬の念を語る。
「シャンシャンに続く2人目の中国人プレーヤー優勝者になれたことは、とても大きな意味がある。中国の子供たちにゴルフをしてもらえたり、中国のゴルフに注目する人たちを増やすことができたと思う」
優勝が決まった瞬間、同じ中国チームのリュウ・ルイシンはウォーターシャワーで祝い、リン・シユは力強くハグで喜びを分かち合った。アジア・中国のゴルフ界の歴史に新たな1ページが刻まれた。(文・笠井あかり)
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