
<日本シニアオープン 2日目◇19日◇相模原ゴルフクラブ(神奈川県)◇6997ヤード・パー72>
122位タイで2日目を迎えた読売ジャイアンツ元監督・原辰徳。巻き返しを狙ったが、17オーバーの「89」で回り、トータル27オーバーで予選落ちが決まった。
悔しさをにじませながらも前を向いた。「いい経験をさせていただいた。もう少しできたんじゃないかという気持ちもあるけれど“これが現実だ”と。67歳にしてこれから立ち上がろうと」
相模原GCはメンバーコース。しかし、いつもとは雰囲気がガラリと違った。「違うコースみたいでしたね。ラフはもちろんですけど、フェアウェイを意識してティショットを打つのはそうそうない。セッティングの難しさがすごいなと思いますね」と、熟知しているとはいえ、初めて体験するメジャー仕様のセッティングに刺激を受けた。
そのなかで得たものもある。「小手先ではダメだよ、というのは、なんとなく分かった。野球もテクニックに走ろうとしたときは、技術はだいたい下りにいっている。そういうのを我々は見ている」。基本の大切さを改めて感じた2日間だった。
予選ラウンドは国内男子ツアー16勝、シニア2勝の伊澤利光、シニア24勝、アジアンツアー10勝を誇るプラヤド・マークセン(タイ)との注目組でプレー。マークセンはトータル8アンダーの上位で決勝へ進んだ。「自分のリズム、淡々というか。自分の持ち球をしっかり持たれているプレーヤーだと思いましたね」と振り返る。トッププレイヤーの姿に改めて感銘を受けていた。
多くのギャラリーが集結し、バーディを奪った時はもちろん、ナイスショットをするたびに拍手と歓声が沸いた。「野球ではもう少しいただきました(笑)。でも、きょう初めてゴルフ場に来た人もいたでしょう。野球とは違った応援の仕方に、私も新鮮だったし、ファンの皆さんも新鮮だったのではないでしょうか」。スポーツを超えた交流の場となったに違いない。
10月には「関東シニアゴルフ選手権」、「関東ミッドシニアゴルフ選手権」の決勝を控えて、そこに向けて練習に励む。67歳になっても、挑戦を続ける理由。それは「生きて朝を迎えている限り、挑戦という気持ちはどこかにないと。大きなことは考えていません。自分の世界のなかでね」。ゴルフの大舞台での経験を糧に、第二のアスリート人生をこれからも楽しんでいく。
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