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難病克服の30歳・小浦和也らが初シード 来季のフル出場権を獲得した選手は?

難病克服の30歳・小浦和也らが来季シード権をつかみとった(撮影:岩本芳弘)

<カシオワールドオープン 最終日◇26日◇Kochi黒潮カントリー クラブ(高知県)◇7335ヤード・パー72>

来季の国内男子ツアーにフル出場できる選手が確定した。賞金ランキング上位65名に付与されるシード権だが、今年は義務試合数不足の選手を除いて賞金ランキング68位までの選手が手にした。

今季、初シードを獲得した選手は14人。その一人である30歳の小浦和也は、専修大学時代に血小板の減少で、血が止まらなくなる難病「突発性血小板減少性紫斑病」を発症。症状の影響で一時はプロ活動を断念し治療に専念していた。

この難病は“完治”することはできないが、体調が落ち着いた時期に結果が出始め、2022年には下部ツアーのABEMAツアーで再び優勝争いができるほどにまで回復。同年のファイナルQTで13位に入り、その資格で今季はレギュラーツアーに出場。6月の「ASO飯塚チャレンジド」で6位タイに入るなど、安定した戦いを見せた。

そして、来季の出場権獲得がかかった最後の試合「カシオワールドオープン」では、トータル7アンダー・18位タイ。今季を賞金ランキング61位で終え、待望の初シードを獲得することができた。「目の前の一打一打に集中して、あんまり焦らず、気負わずっていう感じで。もうダメならダメで仕方ないぐらいの気持ちで割り切ってやってました」と、本心は「だれよりも考えていた」と強く意識していた気持ちを封じ挑んでいた。来季の切符を獲得した小浦には多くの選手が喜びのハグをしに行く姿があり、まさに“待望”を感じさせる姿であった。

小浦は結婚をしており、昨年の2月に第一子が誕生している。来年は一家の大黒柱として「ミルク代とおむつ代が高騰しているので。パパは稼がないとご飯食べられなくなっちゃって大変だから、パパ頑張ります」とパパさんプロゴルファーとして家族のためにも戦っていく。

ほか、初シード権を得た選手は今季賞金王に輝いた中島啓太(23歳)、今大会を終えて同3位に位置する蝉川泰果(22歳)、同22位の米澤蓮(24歳)、同24位の細野勇策(20歳)、同26位で今季予選落ち無しの小木曽喬(26歳)、今季がルーキーシーズンだった同29位の鈴木晃祐(23歳)、同33位で韓国のヤン・ジホ(34歳)、同35位の杉原大河(24歳)、同41位の前田光史朗(23歳)、同54位の金子駆大(21歳)、同61位の小浦(30歳)、同63位の平本世中(24歳)、同65位の宇喜多飛翔(22歳)、同66位の西山大広(25歳)となった。

【初シード権を獲得した選手たち(一部)】

■同22位 米澤蓮(24歳)

「去年よりも自分の手ごたえはあって、試合をこなすうちに結果に表れてきてよかった。来季につながるプレーが今年はできていたと思っています。やっとスタートラインに立てたというか、プロとしてやっていける段階にいけたと思う。いろんな人の助けがあってだと思いますし、長いゴルフキャリアのなかでまた苦しい時期とかでてくると思うんですけど、最初の段階で苦しんだというのは無駄にならないと思うので。オフに課題を改善できれば来季もチャンスもあると思うので、優勝できればと思います」

■同24位 細野勇策(20歳)

「1年目でシードを獲れてよかったと思います。今年は調子が良い時も悪い時もあったんですけど、そのなかでも何とか予選を通過できたりだとか、前半戦で結構いい成績を残すことができたので、それがよかった。来年に向けていろいろ練習ができればいいなと思います。ツアー初優勝を獲りにいければいいなと思います」

■同26位 小木曽喬(26歳)

「3年前からコーチを変えて見てもらっていて、スイング修正をしてきたんですが、それが結果に出たのが今年でした。去年、ABEMA(国内男子下部ツアー)で2勝してランキング2位の資格で今年の本戦に出ることができた。これからも長く出場できるためのことを考えていますし、もちろん優勝もしたい。全体のレベルは上がってきていますが、細かい部分はまだまだ課題となっている。そこを高めていければ上位で戦えないことはないと思っています」

■同35位 杉原大河(24歳)

「今年はドライバーの曲がりがなくなってきたので、ラウンドでアグレッシブに攻められるようになってきたことが要因です。来年は今年以上の成績を残せるように頑張りたいので、しっかりオフに調整をしていきたいです。将来はアメリカに挑戦するためにも、自信をつけたい。できるだけ早く行きたいので、もし来年も行けるなら行きたいと思っています。まずは国内で頑張りたいです」

■同66位 西山大広(25歳)

「今週入る前はそんなに緊張せずに入れたのですが、日に日にシード権のことをみんなに言われて緊張してきましたけど、平常心は保てたのかなと思います。初シードは嬉しいです!今年一年やって、いいところも悪いところも色々分かったので、それを踏まえてこのオフに調整をして来年は優勝したいなと思います。元々はアイアンが得意で、パーオン率が上位だったんですけど、今年は良くなかった。3日目崩れることが多かったので、体力面を鍛えたいです」

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