元女王・森田理香子が1年7カ月ぶりのアンダーパー 「去年とは全然違う、うまくなっている」

今季初戦の森田理香子は2アンダー発進(撮影:米山聡明)

<住友生命Vitalityレディス 東海クラシック 初日◇19日◇新南愛知カントリークラブ 美浜コース(愛知県)◇6600ヤード・パー72>

2013年の賞金女王で、昨年は6年ぶりにツアー復帰して7試合に出場。そして今季初戦となった森田理香子が6バーディ・4ボギーの「70」で回り、18位と上々のスタートを切った。

インから出た10番で2メートルを沈めて、幸先よくバーディで滑り出し。ピンそば1.5メートルにつけた14番からは3連続バーディを奪った。左サイドに池が広がる15番パー5では残り220ヤードから5番ウッドで2オンに成功するなど、飛ばし屋ぶりも健在。元女王は笑顔で18ホールを完走した。

「めちゃ緊張したけど、悪くなかったですね。5アンダーとか6アンダーを出さないと優勝できないないコースだけど、初戦やし十分です」

アンダーパーは復帰戦となった昨季開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」2日目以来、15ラウンドぶり。昨年から今年にかけて地道に鍛えてきた成果をしっかり形にして、大勢のギャラリーを喜ばせた。ツアーから離れた18年までは、プレー中は集中しファンサービスは皆無といってよかった。だが、この日は『ナイスバーディ!』の声に笑顔で応え、手を振る場面が何度もあった。

「ツアーに戻ってきて、ギャラリーの存在の大きさが改めてわかった。応援してもらって本当にありがたい。感謝の気持ちを伝えないといけない。成長したでしょう」

昨年の途中、パターの握りをクロウグリップに変えた。右手をグリップに添えるようにつまむ変則グリップ。師匠の岡本綾子には『あなたも苦労しているのね』と言われ、「はい、苦労しています」と真面目に答えて苦笑いされた。クロウ=苦労をかけた師匠のジョーク。「私、この握りがクロウグリップというのを知らなかったんですよ」と笑う。

今大会のコースセッティングを担当している岡本は、この日コースを離れた。「いい報告ができたらいいなと思います」。当面の目標は予選通過。ファンをもっと喜ばせ、師匠に胸を張って結果を報告したい。「いつはき出すかわからないので、できるだけバーディを取りたい。きょうもそんな気持ちでした。あすもできるだけバーディを取って、自分を安心させたいです」。

この日のドライビングディスタンスは平均255.5ヤードで18位。「去年より全然良くなっている。こうなったらこういうミスが出る、というのも分かった。うまくなっていると思うんですけど」。いたずらっぽく笑って、元女王の自負もチラリとのぞかせた。(文・臼杵孝志)